この知恵ノートを「知恵コレクション」に追加しました。
追加した知恵ノートはMy知恵袋の「知恵コレクション」ページで確認できます。
「知恵コレクション」に登録済みです。
再登録しました。
追加に失敗しました。
ノートに戻り、もう一度やり直してください。
すでに1,000件のノートが登録されています。
新しく追加したい場合は、My知恵袋の「知恵コレクション」ページで登録されているノートを削除してください。
追加できませんでした。
ノートは削除されました。
知恵コレに追加する:1人
台湾総統選挙で、馬英九総統が勝ったのはなぜ?台湾は中国とくっつくのか?
ライター:darepanda07さん(最終更新日時:2012/1/17)投稿日:2012/1/17
- お役立ち度:1点(5点満点中)
19人
- 閲覧数:686
- 付箋(アドバイス)指数普通
しかし、東日本大震災の後、外国からの義援金が多く届きましたが、台湾はその金額で1位でした。たった2300万人の人口なのに、アメリカを上回りました。たった数ヶ月で、それも日本との関係に大きな事件はないのに、台湾が反日になったなんて訳ありません。
では、なぜ馬英九総統が再選されたのでしょうか?そもそも、彼が今総統なのは、なぜなんでしょうか?
台湾の有権者は何を考えて投票しているのか?
どこの国の有権者も、自分の生活や仕事のことが最大の関心事項です。政治家や公務員には景気を良くしたり、社会問題を解決するなど、国民のために一生懸命働く事、国民の生活を第一に考えて行動することを期待しています。台湾でも政治家を見る目は、日本と同じなのです。ただ、台湾人の方が日本人よりも政治に強い関心を持っています。テレビを見ると、なんかバカみたいに騒いでいるように見えますが、騒いで、わめき散らすのは、それだけ政治に関する情報を豊富に持っていて、真剣に考えているからです。常に政治家や政府の動向に注意しているからこそ、政治に対して、あれだけの喜怒哀楽を持つのです。
そして、一般の有権者は外交に疎いです。日本だって、2009年の衆議院選挙で民主党の外交政策をちゃんと考えて投票した人が、どれだけいるでしょうか?まさか、鳩山首相が普天間問題で、右往左往して、沖縄の人達の感情をかき乱すだけで、何も出来なかったことを予測したでしょうか?
台湾人も同じです。外交の詳しいことは分りませんし、必ずしもより親日的な候補者を選ぶとは限りません。もちろん、台湾は国際的に孤立していますから、 昔は海外旅行で嫌な思いをしたり、ニュースで自分の国が差別されていると感じる事も多いです。「万が一、中国が攻め込んできたら、アメリカや日本は助けてく れるのだろうか?米軍が来てくれるまで、自分たちは中国軍の攻撃を食い止められるだろうか?もっと武器が必要じゃないのか?」という不安もあります。その分、日本人よりも外交や防衛問題には敏感です。また、総統候補者がアメ リカや日本の悪口ばかり言えば、「大切な友人になんてことを言うんだ!」とカンカンに怒るでしょう。
今回の選挙では、民進党が勝利する余地もありました。それは、2009年や2010年の地方選挙において、民進党は国民党の支持率に並び、超えようとしていたからです。しかし、台湾の有権者は国政を民進党に預けられないと判断しました。民進党は中国との関係を争点にせず、貧富の格差や企業優先に見える馬 英九政権の姿勢を問題に取り上げようとしました。中国との関係もあくまで、企業優先の政策の1つとして扱うに過ぎませんでした。これはこれで正しい選挙戦 術です。しかし、貧富の格差を是正するには、どうすれば良いのか?単純な所得の再配分だけでは、国家財政が持たないし、お金持ちが中国に逃げてしまうばかりです。また、中国との関係についても政権批判ばかりで、自分たちなら、どんな外交政策をするのか、それが成功するのかをちゃんと説明しませんでした。つまり、民進党は問題を指摘するだけで、その解決方法を提示しないという、野党気分の選挙キャンペーンをやってしまったのです。
反日親中のイメージを払拭しようとした馬英九総統
そして、政治家も有権者が何を考えているのか、理解しています。そして、外交問題は必ずしも重要ではないが、あまり大きな問題を起こすと、自分に不利になる。だから、アメリカや日本の悪口は言わないように気を付けています。馬英九総統については、民進党から「反日じゃないのか?自分は中国人だと思っているから、台湾を売り渡して、中国と統一交渉するんじゃないのか?」と批判され、有権者の中にも疑う人がいます。でも、そのことは馬英九総統自身がよく理解しているのです。馬英九総統は、選挙が近づくと、急に中国の悪口を連発しました。
「中国は民主主義や人権を尊重していない。民主活動家を自由にせよ。天安門事件を再評価し、弾圧を謝罪せよ。」
「中国はWHOに圧力をかけている。台湾の名前を中国台湾とするように、WHO事務局に言っている。我が国に対する侮辱だ。」
あげくは「台湾に不利な取り決めはしない。台湾の利益だけを追求する。民主化されず、法の支配が実現していないのに、統一交渉なんてできない。平和協定なら考えてやるけど、その前に国民投票を行う。」と言い出したのです。
一つ一つの文句を見れば、民進党も顔負けの、悪口の連発です。中国からすれば、いろいろ譲歩したはずなのに、何で馬英九はここまで言うのかと愚痴をこぼすほどでした。
日本の新聞には、今回の選挙で馬英九総統の対中国政策が評価され、民進党の政策が支持されなかったという記事もありました。しかし、評価されたポイントが何かを考える必要あります。馬英九総統の政策が評価されたのは、親中だからではなく、台湾の利益を守るという節度を守ったことと、やはり対立点は譲らず、中国への批判を躊躇しなかったことがポイントなのです。
そして、馬英九総統は、従来の国民党の歴史観を維持しつつ、台湾人が日本植民地時代にノルスタジーさえ感じることも認識しています。そのため、植民地時代の日本の功績にも言及しています。例えば、台湾のダム建設に大きな貢献をした設計士、八田與一氏を称えたり、その記念館を作る事も支持しました。つまり、馬英九総統は「どんなに植民地批判をしても台湾の有権者には通用しない。それなら、逆に自分も日本支配の罪ばかりに言及するのではなく、日本人の功績を評価していることをアピールしよう」と考えたわけです。「自分の信念より、有権者になびく。」これが選挙で勝つための鉄則です。
馬英九総統の本音は?
これは、よく分りません。馬英九総統はかつてアメリカの永住権をもっていた事があります。何時失効したのか不明ですが、ある時期まで、「中国が攻めてきたら、アメリカに逃げよう」と思っていたのかも知れません。あるいは、「自分は中国人、世界の中心に咲いた花である中華文明の継承者だ」と思っているかも知れません。ただ、彼の忠誠心は中華民国にあり、中華人民共和国を仮想敵と考えている可能性もあります。つまり、「台湾独立には反対だが、中共の軍門に下るつもりもない。」ということです。これは、中国が台湾独立と並べて反対している「1つの中国、2つの国家」につながります。馬英九総統は表向き、「1つの中国、2つの地区(あるいは政治実体)」に発言を止めていますが、国際法上、そんなものはありません。白黒つけようとすれば、馬英九総統もかつての李登輝総統とおなじ「特殊な国と国の関係」に行き着いてしまいます。
しかし、馬英九総統も、中国側も白黒付けるとケンカするしかないので、そういう難しい問題は棚上げするという暗黙の了解をしています。これが、いわゆる「1992年コンセンサス」です。ただ、この「1992年コンセンサス」を続ける限り、台湾が国家であることを宣言したり、各国に承認を求めることは困難です。民進党が「このコンセンサスが存在しない」、あるいは「存在しても中身はない」と馬英九総統と違う意見を持つのは、このためです。
じゃぁ、どうするのかと言えば、馬英九総統は台湾に都合の良い「1992年コンセンサス」を示して、中国に「その通りだ」と言わせるか、台湾側の解釈を裏付けるような譲歩(例えば、国際組織への加盟・参加を容認すること)を迫ろうとしているんです。「こっちは有権者の目があるんだから、目に見える成果が必要なんだ。もし、中共が譲歩しないんなら、その時は遠慮無く、非難させてもらうよ。でも、そうなったら、お互いに何の利益もないでしょ。」と脅すんです。
台湾では馬英九政権と中国の交渉が密室で行われていて、見えにくい。という批判があります。実際、議論の対立点や妥協の経緯など、細かい話は分りません。ただ、見える範囲の事柄を詳細に見ると、どうも譲歩を迫られているのは、中国であって、台湾じゃない事も分ります。もちろん、台湾の有権者の目から見て、十分な譲歩かどうかという問題はあります。
今後はどうなるのか?中国との統一はないのか?
これもよく分りません。でも、中国は、譲歩しても、追加の譲歩を求める馬英九政権に苛立ちの声もあるようです。経済的な利益やWHOへの一部参加を認めてやったんだから、少しは中国の面子も立てろ。というのです。だから、中国は統一といわないまでも、平和協定など政治分野の交渉に入るよう迫ってくるでしょう。でも、馬英九総統は「平和交渉は条件ができていない、未だ時期尚早。やるとしても、その前に国民投票する」と言ってしまいました。中国にすれば、「ちぇっ、馬英九め、余計なこと口走りやがって」と思っているでしょうね。また、一度口にしたことを破れると、政治家の生命が絶たれる可能性もあります。
その一方で、、台湾の憲法では総統は2期以上務めることが禁じられています。例外は独裁者の蒋介石と、現在の憲法になる前に1期務め、憲法改正後に2回再選された李登輝総統だけ。馬英九総統が歴史に自分の名前を残すことを優先し、中国との平和協定を締結したいと考える可能性もあります。
統一はないけど、平和協定の締結ぐらいは、あるかも知れません。
日本との関係は?
今の台湾人の親日感情が支えです。短期的には、馬英九政権も日本との対立を望まないでしょう。 問題は、台湾の反中感情がいつまで維持されるかです。嫌らしい見方かも知れませんが、台湾の親日は反中の裏返しであることは否定できません。台湾では「狗走猪来(犬去りて、豚来る)」という言葉があります。これは、こういう意味です。
植民地支配をした日本人は犬のようにワンワン吠えて台湾人を統率しようとした。台湾人が変わったことをすると噛みついてくる。あんなうるさい奴は嫌いだった。でも、中国人は台湾人を食い物にして、汚職をして私腹を肥やす。根こそぎ食い尽くす豚のようだ。秩序なんて、あったものじゃない。
今思い起こせば、日本人は汚職をしなかった。日本人が勝手に作った秩序を押しつけたけど、自分たちも規則から逸脱することはなかった。だから、台湾人が規則を守る限り、日本人は暴力を振わないし、その財産を奪うこともない。だから、台湾人も安全に暮らせた。豚に食われるぐらいなら、犬に守られる羊のように暮していた植民地時代の方がマシだった。
この言葉通りなら、日本人に対する評価は、中国人(蒋介石率いる中国国民党)との比較から生じたことが分ります。また、植民地支配が終わり、228事件のような中国人の統治における弾圧が発生した比較的短い期間の間に評価の変化が起こったことになります。
もちろん、228事件のような虐殺の傷は深いのですが、実は日本だって、植民地支配当初は台湾人のゲリラと血みどろの戦いをやっています。だから、台湾人の中国に対する評価も、徐々に変わる可能性が無いとは言えません。
台湾は経済的にどんどん、中国に吸い寄せられています。台湾から中国に投資している企業は多く、正確な数は分りませんが、中国には100万人以上の台湾人がいると言われています。人口の数%が中国に住むか、頻繁に往き来しているんです。中国から来るお嫁さんも多くいます。台湾で出生する子供の10人に1人以上は国際結婚した両親の子供。この国際結婚の多くが、中国人との結婚だそうです。
海外から台湾に来る観光客も、今までは日本人が一番多かったのですが、馬英九政権と中国の関係改善後、中国人が一番多くなってしまいました。もちろん、交流が盛んになれば、相手に嫌なところも見えてしまいます。台湾人には「中国人は行儀が悪い」と思う人も少なくありません。しかし、台湾人も昔は日本人に「お行儀が悪い」といわれ、自分たちの習慣を少しずつ直したのです。中国政府も海外で中国人観光客のマナーの悪さが、自国のイメージ低下につながることを認識し、注意は呼びかけているようです。
では、台湾の親日感情を維持するには、どうすればよいのでしょうか?中国が台湾によくする以上に、日本が台湾によくするしかないのではないのかもしれません。それには、まだ台湾と中国の間に対立があるうちに、日本が台湾の肩を持つという姿勢を見せるしかないでしょう。これは、まさに時間との勝負です。
このノートは役に立ちましたか?
役に立った!19人が役に立つと評価しています。
アドバイス(このノートのライターへのメッセージ)を送る
このノートはどうでしたか? いいと思ったことや、こうしたらもっとよくなるといったメッセージを送りましょう! ノートの内容やライターについて質問がある場合は、Q&Aから質問してみましょう




