古物商許可が必要か不要か

近年はインターネットオークションに代表される古物売買が身近になっており、知恵袋サイト上で、古物商許可がどうかを問う質問が多数見受けられるようになりました。

 

これは古物商がなぜ許可制度なのかを十分理解していないことから発生する疑問なのです。ここではあなたが古物商許可が必要なのか否かを考える知恵をお教えします。

 

古物商とは?

簡単に言えば古物を売り買いするための仲介人のことです。

 

古物って?

 古物とは、字の通り古い物ということで中古品だけが古物と思われがちですが、そうではなく、一度でも消費者の手に渡り、一般流通網から外れてしまった物品で古物営業法に規定されている物品をいいます。

 普通の販売店の店頭に並んでいるものは100年前の品でも展示処分品でも古物ではありませんが、しかし、仮に未使用の新品であっても、一旦消費者の手に渡った物は、古物として扱います。

 古物として扱われる意外なもの(いずれも販売店以外の者が販売する場合) … 未使用の切手・乗車券類(金券ショップ)、店で買ってきたが結局封を開けてもないまるまる新品の物

 古物として扱われないもの(例外品) … 食品類、庭石、石灯籠、空き箱、空き缶類、金属原材料、被覆いのない古銅線類、航空機・鉄道車両・20トン以上の船舶・5トンを超える機械(船舶、自走できるもの、けん引される装置があるものは除く)

 

なぜ許可制なの?

 そもそも古物商の制度は、他人の財物を不正に入手した(窃盗・万引きなど)者が換金することを抑止・困難にし、仮に盗品が流通しても特定が可能なようにするための制度です。古物商として許可を受けた者は、代表者の届出や帳簿等の記帳義務などの一定の知識を有する者であり(許可を受ける際又は受けた後に一定の指導を受けます)、古物の知識が薄い一般の方が盗品流通の被害者とならないようにするため、許可制となっています。

 古物売買を自由化してしまうと、誰でも古物営業を営めるようになってしまい、チェックの甘い買い取り店に盗んだものを持って行き、たやすく換金できてしまうとなると、換金を目的とした盗難事件を増加させることとなってしまうから、この抑止の為の制度なのです。

 

どのような場合に許可が必要なの?

 以上の趣旨を頭に入れて頂くと、許可の要否が分かりやすくなります。

 具体例を挙げていきます

許可が必要な場合

  ・他人から古物を購入し、それを転売する。

    例)友人のいらないパソコンを1,000円で譲ってもらい、それを売る。(自分は利益がでなくても必要)

  ・他人から依頼を受けて古物売買の仲介をし、元所有者に金品を還元する。

    例)友人から車を売却して欲しいと依頼を受け、売却の斡旋をし、購入者が決まって売れたら全額又は一部を友人に支払う。

  ・販売店でない者が、初めから転売を目的として物品を購入(仕入れ)し、転売する。

    例)ディスカウントショップで大量安売りをしていた家具を買占め、転売する。

許可が不要な場合

  ・自分の持ち物(一度使ったもの)を売る。
    例)自宅で使っていた家具・家電など

  ・自分の為に購入したが結局使わなかったもの(新品)を売る。

    例)買っておいた新品の服をもう着ないから売る。予定していたコンサートに行けなくなったのでチケットをオークションに出して売る。

  ・他人から無償で譲り受けた物(査定0など)を売る。

    例)

  ・他人から引取手数料を徴収して引き取ったものを売る。

    例)壊れたバイクを引取手数料として1,000円徴収して引き取り、それを部品取り用として自分で売却する。

 

 

場所は?

  古物を売買するにあたって、古物商が買取を行う時は営業所又は元所有者の住所と決まっていますが、売却にあたっては特に定めはありません。インターネットでも店舗でも露天でもOKです。(ただし、古物商許可が必要な取引の場合は行商の届出が必要です)

  つまり、店舗で販売していても、許可が不要な場合に該当する古物しか置いていなければ許可が必要ないのです。

  なので、古物商は販売場所ではなく、どのように入手した物品を販売するのかモノの出所が重要なのです。

 

   

まとめ

 古物商許可が必要か否かは、

 1.元々の所有者に利益があったか?

 2.転売利益を目的として購入したものか?

 この2点に尽きます。

 

 仮にあなたの隣家に推定50万円の骨董品があったとします。あなたはお金に困っていた!「よし、あの骨董品を売り飛ばしてやろう」ということで換金目的で骨董品を隣家から苦労して盗んできて、いざ買い取り店に、…結果査定0円だったら売りますか?売りませんよね?別の店に行きますよね?

 でも、その骨董品は自分の真正な所有物で、引越しなどによりどうしても邪魔で処分するにはお金がかかる…というこであれば0円でも引き取ってもらいたいですよね?

 つまり、元々の所有者に利益がないのであればそれが盗品の可能性は極めて低くなることから、無償で譲り受ける行為については許可が不要なのです。

 

 しかし、次の店で査定30万円だったら売りますよね?その際にその骨董品が盗品なのかは正直持ち込んだ人と盗まれた人しか分からない訳です。で、後から問題になった時のために、免許証などの提示を求め、身分を確認します。盗品なら身分証を出して下さいといわれた時点で「やっぱり止めます」ってなっちゃいますよね?

 

 古物は許可を受けていないと売買できません。でも、許可を受けている店は法令により身分確認をしますので、結局売却できず、「何の為に盗んだのか…」となる訳です。

だったら、初めから換金目的では盗みませんよね?

 

 盗んでも換金はできませんよという抑止効果を狙っているのが古物営業法なのです。

 

 

具体例

ここでは一般的な具体例をあげてみます。

買い取り編

・知人からパソコンを1,000円で買い取り、転売した→許可必要

・壊れたバイクを1万円で買い取り、修理して10万円で転売した→許可必要

・名刀を10万円で買い取ったが、実はレプリカで結局1万円でしか売れず大損→許可必要

  補足)元々の所有者に利益があるので、買い取った自分が損をしても許可は必要です。

 

斡旋編

・引越しによる荷物整理でテレビ一式を買い取ってくれる人を探して欲しいという依頼を受けて探し、一式を10万円で買い取ってくる人を見つけ、手数料1万円をもらった→許可必要

  補足)委託販売となります。

・引越しによる荷物整理でテレビ一式を買い取ってくれる人を探して欲しいという依頼を受けて探し、一式を10万円で買い取ってくる人を見つけてあげた。報酬は貰わない。→許可不要

  補足)斡旋をしても、斡旋者は手数料類を全く貰わない場合は許可が不要となりますが、その買い取ってくれる人が転売目的であれば買い取ってくれる人は許可が必要です。

 

フリーマーケット編(出展者)

・みんなで不要物を持ち寄って、フリーマーケットを開催し、サークルや地域の活動資金や募金したい→許可不要

  補足)子ども会・学校などで主催される持ち寄り型フリーマーケットは、その売却益を個人に分配しなければ許可は不要です。なぜなら自分に直接利益がないのに高価な盗品を持ち込む人など考えにくいからです。

・みんなで不要物を持ち寄って、フリーマーケットを開催し、経費等差し引いた残額をみんなで山分け→許可必要

  補足)高価な盗品を持ち込んで山分けで利益を得ようとする可能性があるからです。

・みんなで不要物を持ち寄って、フリーマーケットを開催し、個々の売れた分を集計してそれぞれの収入とする→許可必要

  補足)ここに高価な盗品を持ち込んで利益を得ようとする可能性があるからです。

 

譲り受け編

・もう結婚するから、この部屋の家具タダであげるからなんとかして欲しい→引き取って売却した→許可不要

・この車、もう壊れてて動かないからあげる→引き取って売却した→許可不要

・まだ動くエアコンでも引っ越すからもういらない。家電リサイクル費は高いし1,000円払うから、引き取って欲しい→引き取って売却した→許可不要

 

値引編

・当店で冷蔵庫を買って頂けるなら、一律3,000円で下取りします。→許可不要

  補足)一律額による下取りは、値引サービスの一環として扱われ、許可不要です。

・当店でお車を買って頂けるなら、査定の上、下取りをします→許可必要

  補足)一律額でなく、グレード・年式・状態などにより下取り価格を変化させる場合は、古物の買い取りと判断し、許可が必要となります。これは、高価な盗品を下取りさせて換金と同じ効果を得る行為となり得る可能性があるからです。

 

グレーゾーン編

・親父からコレクションを売って欲しいと言われて、息子がオークションに出品した。
  補足)厳密には委託販売となりますが、家族(親族)内の話であり、古物営業法の趣旨を考えると盗品である可能性はきわめて低いことから許可は不要と思われるが、古物営業法には家族(親族)間取引を除外する規定はない。

 

 

 

参考にして下さい。

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