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大学の就職データ「数字のマジック」に要注意!

ライターさん(最終更新日時:2013/12/1)投稿日:

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★はじめに

 進学先大学を選ぶ際、その大学の「就職率」を確認するのは今や当たり前というご時世です。

 でも、ちょっと待ってください。その「就職率」には、数字のマジックがいっぱい隠されています。

  ===================================

★ 数字のマジックその1 

大卒就職率って、ホントにそんなに高いの?

 平成25年3月卒業者就職率のデータは、93.9%となっています。

 
 ♪よく「大卒就職状況が厳しい!」と言うけど、90%以上なら意外と高いねー。よほどのことでもなきゃ普通は就職できるってことだよね♪ 


  ↑こう思ってしまう人がいたら、大きな勘違いです(キッパリ!)

 
 この数字は、厚生労働省・文部科学省の共同調査「平成24年度「大学等卒業者の就職状況調査」」が出所元ですが、ここでいう「就職率」の定義では、分母が小さいため、率が高めに出るのです。

 普通は、「就職者数」を「卒業者数」で割った率を「就職率」と考えてしまいがちです

 しかし、広く使われる「就職率」定義では、分母が「就職希望者数」なのです。


ポイント

  • ※ よく使われる「就職率の定義」は、次の2つです。 


     ①「就職者数」を「就職希望者数」で割った率 (こちらが一般的)

     ②「就職者数」を「卒業者数」で割った率


 例えば、24年度(25年3月)大学卒業者の就職率は、分母をどうするかによってこんなに違います。 
 ①の定義を使う厚労省・文科省共同調査推計では 93.9%
 ②の定義を使う文部科学省「学校基本調査」では  67.3%

      ↑なんと、その差は約27%!

注意

  • ※この他にも、「卒業者数-大学院等進学者数」を分母にするという就職率定義もあります(経済誌などの「大学別就職ランキング」等で使われています)。

ヒント

  • ※なぜ分母の取り方で30%近くも就職率が変わってしまうのかと言いますと、実は就職を希望しない人がたくさんいるからなのです。


     平成25年度学校基本調査速報によると、大学卒業者のうち大学院等へ進学する人は11.3%、また、進学も就職もしない人は、13.6%です。
     ほかにも一時的な仕事に就いた人や不詳・死亡者は、合計4.1%の割合の人がいますので、実は「就職を希望しない人」は意外に多いのです。


★ 
 数字のマジックその2

就職を希望しない人がなぜそんなに多いのか?

  よく考えれば「就職を希望しない人」なのだから、就職率分母からはずれるのは当然のことです。

 しかし就職を希望しない人が30%というのは、やはり多すぎます。なぜなのでしょう。

  実は、先に書いた「大学等卒業者の就職状況調査」は、年に何度も行われており、10月時点、12月時点、2月時点、そして3月末時点と回を追うごとに、就職希望者の数は減っていくのです

ポイント

  • 就職希望者数は日毎に減り、就職を希望しない人が増えていく。

    その結果、分母が小さくなり、就職率は高くなっていく

   つまり、「就職希望者」とは、単に「就職しようとして就職活動をした人」のことではなく、「最後まで就職活動続けた人」ことなのです。


 「大学院等進学希望者」や「進学も就職も希望しない者」は当初はそんなに多くないのです。

 しかし、就職活動を行っても良い結果が出ないまま卒業が近づいてくると、次のチャンスで頑張ろうと「進学」することにしたり、もう諦めて「無業者」への道をたどるなど、就職を希望しながらも不本意に進路を変更していく人が多くなる、という実態があるのです。


ヒント

  • ※わかりやすい一例をあげますと、
  • 大卒後の進学者の中に、専門学校へ進学するという人たちが近年急激に増えてきています。


     例えば、平成22年度学校基本調査では、専門学校入学者内訳において、大学を卒業してから専門学校に進学する人は7.3%、数にして19,489人もいるのです。

     大学から、敢えて学歴的に下の専門学校に進学ということが何を意味するのか、自明のことでしょう。


★数字のマジックその3

実は、卒業しない人の数はカウントされていない

  これまでは、卒業者のうちの、という前提での率です。しかし、卒業しない人のことはどう考えればよいのか、という観点で記述してみます。

 大学HPでは例えば「本学の22年度就職率は95%」などと書いてあります。これを見た保護者や高校生は、こう思ってしまいませんか?

 ♪この大学に入学することができれば、「95%の確率で」、「卒業と同時に」就職できる♪

  ↑ これまた、大きな大きな勘違い!

 実は、卒業できない人、卒業しない人が増えているのです

 
 (独)労働政策研究・研修機構の調査によりますと、中退学生数が年間11万人、中退率は約12.5%に上ります。

  また、読売新聞社のH21年度卒対象「大学の実力」アンケート調査によりますと、就職留年者数の推計は約10万人、就職留年割合は約17.5%になります。

 

注意

  • ※卒業間際になっても就職が決まらない学生に対しては、大学が学費減免で留年を認め、卒業できるけど「しない」というのが「就職留年」です。


     これにより、本人にとっては「新卒者」としてまたじっくり就職活動ができる、大学としては分母を減らすことができるので就職率が下がらないというメリットが生まれます。

 
 上記を単純計算しますと、予定修業年限(4年)どおりに卒業できる(する)確率は、約70%ということになります。
 
 「入学者が4年後に就職できる確率」という前提条件を考えるならば、卒業者数を元にする就職率から、さらに30%割引かねばならないということです。

ヒント

  • ※ちょっとややこしいですので、具体的に試算してみます。


     入学者1000人の大学があったとします。

    上記の調査データ数値をそのまま持ってきますと、
    125人が中退、175人が就職留年。卒業者数は700人になります。この時点で300人減です。

    このうち、90人が大学院等進学、進学も就職もしない者が111人、一時的な仕事に就いた者と不明者合わせ33人で、残った人数が就職希望者466人です。


    この時点で、就職率の「分母」は、1000人でも700人でもなくなり、466人というわけですね。

     就職希望者466人で、就職率を仮に91.0%としますと、就職者は424人となりますので、これを卒業者数に占める就職者割合で換算すると就職率60.6%となります。

     この数字は、全国大学の平均の数字であるわけですが、これを「入学者の4年後の就職確率」として計算すると、なんと、42.4%という驚くべき数字となるのです。


 ★数字のマジックその4

数字だけ見たら大きな勘違いを招く

 さて、先ほどの「就職率を見てイメージすること」ですが、本当は、こうでしょう。


 ♪この大学に入学することができれば「95%の確率で」、「卒業と同時に」、希望職種で」、「優良企業に」、「正社員で」就職できる♪


↑ もっともっと大きな勘違い!どこにもそんなことは書いていないのに!
 

ポイント

  • ※就職率は、職種や企業・業界、雇用形態は全く無視した就職の数だけのデータである。
  • 就職「率」だけではなく、「質」も見なければいけない。


  「就職」の定義は「職に就くこと」であり、派遣社員や契約社員などの非正規社員はもとより、パートタイムやアルバイトでも「就職」となり、就職率にカウントされます。
 
 例外的に週20時間未満の労働や短期雇用契約などの場合のみ一時的な仕事に就いた者となるのです。


 また、正社員であっても、大学で専門的な内容を勉強したことと全く関係ない職種や業種への就職、あるいは応募に大学卒の学歴すら必要としない就職なども少なくありません。

 そうした「本人にとって不本意な就職」であったとしても、それは就職率などのデータに何も反映されません。


ヒント

  • ※例えば、大学法律学部を卒業してパチンコ店のホールスタッフに就職してもそれはもちろん「就職にカウント」となり、

    大学理工学部を卒業してカラオケ店に1年間の契約でアルバイトとして就職しても、それも「就職にカウント」となります。


 
★就職データの読みとり方

  では、各就職データはどのように読みとったらよいのでしょうか。

  元々、毎年文部科学省による学校基本調査が実施されていますので、大学では基本情報を必ず集計し持っているわけです。

 また、学校教育法に基づき定められている「大学設置基準」が昨年度改正され、平成23年4月からは各大学が就職に関する各種データを公表しなければならないことが義務付けられました。


 つまり、就職にまつわる様々な情報が必ずどこかに公表されているはずなので、それをしっかり見極めることが大切です。

 着眼すべき点は次のとおり

 
<着眼点1>

 掲載されている率はとりあえず無視し、元数字から自分の欲している率を自分で計算すること


<着眼点2>
 就職者数、就職希望者数、卒業者数、入学者数(入学定員)、大学院等進学者数、就職分野別割合のデータに着眼

(本当は、正社員就職割合や就職留年割合なども欲しいところですが、さすがにこれらは公表していないでしょう)



ヒント

  • ※例えば、最新の就職者数と、その4年前の入学者数を調べますと、、「入学者の4年後の就職確率」が計算できます。


<着眼点3>
  
 大学HPからだけでなく、資料を直接取り寄せて詳細に読み込みましょう。自分の学校に不利なデータは、本文に書かず(注)標示をして、欄外やずっと後ろのページに細かい字で書いてあることがよくあります。


<着眼点4> 
 大学の広報や就職指導担当に直接電話するなどして聞きましょう
 どこに掲載されているかわからない場合は、直接聞くのがベスト。
 さすがに嘘をつくことはないでしょうから、正確な情報が聞けるはず。
 文科省調査がありますから、調べていないとかわからないという回答はあり得ません。


 <着眼点5>
 どこにも記載がないし聞いても分からないという回答の場合は、例え大学設置基準に抵触したとしても口を閉ざさるを得ないような「低レベル」だと認識してもよいくらいです。

 

★おまけ

 

 そもそも大学とは教育研究機関であり、就職予備校ではありません
 
 ですから、本来、就職率が高い大学が良い大学ということではなく、就職状況は良くないが、そもそも大学院進学率が90%を超える大学もあり、あるいは美大のようにアーティストを養成するということを目標にしている大学もあります。

 ただ、多くの方々が大学進学先を決めるにあたって就職を強く意識した選び方になってきていること、また、国も、先に記述した大学設置基準においてキャリア教育の強化を大学に示したり、あるいは、産業界からも社会に出て通用する産業人材の育成を大学に期待するなど、事実上、大学と就職は切っても切り離せない太い関係があります。

 
 そうしたことから、大学における就職に関わる実態を正しく見極めることが必要だという認識において、この知恵ノートを作成したものであることをご理解願います。

 
   なお、ここで示した計算は、あくまで公表された調査や数値を使用するとこうなるという仮定のもとに単純計算したものです。


  実際は、データの誤差もありますし、短大等からの編入学者、休学者もあります。回り道をしても最終的に就職を果たした人もたくさんいらっしゃるでしょう。 また、起業したり、フリーのカメラマンや作家などというふうに、組織に属さない形で実は職業生活に入ってるという方もいるでしょう。

 ですから、私の示した計算や数字が「大卒就職に関する正しい数字」ではあるなどとは全く申し上げるつもりもありません。

 ただ、一般に勘違いされて受け止められる数字より実態はもっと厳しく、そんなに甘くないものである、ということだけでもご理解いただければ幸いです。


  

 

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