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味覚の元となる「基本味」って何?

ライターさん(最終更新日時:2013/7/17)投稿日:

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はじめに

視覚において、私達が普段見ている色が赤(Red)緑(Green)青(Blue)の「光の三原色」で表されているのは、目の網膜にある光を感じる視細胞(そのうち錐体細胞)が3種類あり、それぞれの視細胞がどれぐらいの光の刺激を感じているかによって脳で色が合成されているためです。
※厳密には4色型色覚などの例外があったりしてもう少し複雑なのですが。


それと同じように味覚にも、複雑な味を組み立てる基本要素となる「基本味」というものが存在します。
それらの基本味がそれぞれどれぐらい感じられるかの組み合わせによって、私達は様々な複雑な味を区別し、楽しんでいるのです。

今回は、その「基本味」の種類と、総合的な「味」を形成するその他の要素について書き記してみたいと思います。




味蕾とは?

食べ物の味を感じ取っているのは、舌や軟口蓋に存在する「味蕾」(みらい、英:Taste buds)と呼ばれる小さな器官です。
人間の舌には約10,000個の味蕾が存在しています。

Wikipedia:味蕾



味蕾には、「味覚受容体細胞」と呼ばれるセンサーのような役割を果たす細胞があります。
この味覚受容体に味を感じさせる元となる特定の化学物質が結合すると、その刺激が神経を通じて脳に伝わり、脳の大脳皮質にある「味覚野」という場所で最終的に味として認識されます。

毎日新聞:脳:味覚を感じる部位の「地図」 米大学の研究チーム作成



冒頭に例として挙げた視覚の場合、人間に認識できる色が「光の三原色」で表されるのは、錐体細胞の種類によって人間が感じ取れる光の波長の種類が3種類であるためです。
それと同じように、味覚の場合は味蕾の味覚受容体細胞で感知できる化学物質の種類が「基本味」の要素となります。




基本味の種類は?

現在ではとりあえず、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」(うまみ)の5つが基本味とされています。

この人間の味覚を形成する基本味が何なのかについては長い間議論と研究が行われており、中でも「うま味」が基本味として認められたのは比較的最近の話です。

それまでは、1916年にドイツの心理学者ヘニング(Hans Henning)が提唱した4基本味説が支持され、全ての味は「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の4つの基本味とその複合で説明できると考えられていました。


「うま味」の正体は、主にアミノ酸であるグルタミン酸や、核酸構成物質のヌクレオチドであるイノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸など、その他の有機酸であるコハク酸やその塩類などによって引き起こされる味覚です。
「うま味調味料」として知られる「味の素」も、L-グルタミン酸ナトリウムを主成分としています。

日本や中国、東南アジア諸国など、東洋の文化圏においては、古くからこの「うま味」を料理の中で重視してきました。

その正体がはっきりわかっていなくても、出汁(だし)を取るとおいしくなる、という事から、塩味や酸味などとは異なる味覚が存在する事が経験的にわかっていたのです。

しかし西洋の文化圏においては、料理の味の調節には塩味や酸味、甘味などが用いられ、「うま味」という概念が存在しませんでした。

もちろん、調理の過程でうま味成分自体は肉や野菜などから出ていたのですが、それを積極的に引き出そうという発想が調理法に存在しなかったのです。

そのため、西洋の考え方では、味覚の要素に「うま味」は含まれておらず、東洋人が言う「うま味」とは、他の味覚の要素がバランス良く調和してかもし出される抽象的な概念として捉えられていました。


しかし、1907年に日本の化学者・池田菊苗氏がグルタミン酸モノナトリウム塩が昆布のうま味成分である事を発見(翌1908年に「味の素
」製造特許の出願)をした事から研究が進められ、2000年に味蕾の感覚細胞にグルタミン酸受容体(mGluR4)が発見された事から、「うま味」も味覚のひとつの要素である事が認知されるようになりました。

 

味の素株式会社:アミノ酸大百科 アミノ酸とは?

 

アドバイスありがとうございます。間違ってました。m(_ _;)m



 

新たな基本味追加の可能性

ところが、「うま味」が認知された事で基本味は全て解明されたのかというと、どうやらそうでもないようです。
味覚に関する研究は現在でも着々と進められており、新発見が相次いでいます。

例えば、2008年にはアメリカのペンシルベニア州にあるモネル化学感覚センターのチームが、マウスにカルシウムの味を味わうのに使われる2つの遺伝子が存在する事を発見しています。

人間にもその「カルシウム味」を感じ取る味覚が備わっている可能性があるのでは、といわれているようです。

朝日新聞:甘い?辛い?いや「カルシウム味」 米で第6の味発見か


皆様も日常的に、硬水軟水の味は違って感じられるかと思います。

いわゆる水の硬度とは、カルシウムイオンマグネシウムイオンの含有量。多いものが硬水、少ないものが軟水です。
それを区別できる事からも、人間にも何らかのミネラルを感じ取る味覚が備わっている可能性は高いのではないかと考えられます。


また、2010年には、オーストラリア・ディーキン大学のRussell Keast博士によって率いられたディーキン大学・アデレード大学・オーストラリア連邦科学産業研究機構とニュージーランドのマッセー大学による共同研究により、人間には食品に含まれる脂肪酸に反応して「脂味」を感じ取る味覚が備わっている事が解明された、というニュースもありました。

Gigazine:第六の味覚「脂味」の存在が肥満予防の鍵となるかもしれません



現在ではひとまず「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」の5種類が基本味として認められていますが、近い将来、この基本味の種類さらに増える事になるかもしれません。




総合的な「味」に関わるその他の要素

ところで、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」が5種類の基本味であると聞いて、「どうして辛味が含まれていないんだ?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、「辛い」という味覚は、生理学的には味蕾で感じ取る他の味の要素とは異なり、舌や口腔に存在するバニロイド受容体(カプサイシン受容体)という味蕾とは別の受容体で感じる痛覚に由来するものなのです。

様々な辛い食べ物から感じられる「ツーンとくる」、「ヒリヒリする」、「痺れる」といったような辛さの種類の違いは、その辛さを引き起こす物質の化学的特性の差によってもたらされています。

また、その食べ物の温度によっても辛さの感じ方は違い、熱ければ辛味を強く、冷めていれば弱く感じます。


このように、私たちが総合的に感じている「味」というものは、必ずしも味蕾が感じ取っている基本味だけで説明できるものではありません。

例えば、歯応え舌触りなどが食べ物のおいしさを形成する重要な要素なのは皆様もご存知の通りです。

これは、舌や口の中の触覚によって判別されています。
炭酸飲料の泡が弾けるシュワシュワした感覚も舌や喉の触覚によるものです。


また、においも非常に重要な要素で、味覚と密接に関わっています。

例えば、アイスキャンディーなどの氷菓の「味」は実はかなりの部分を香料によるにおいで表現しています。これは、人間は食べ物の温度が極端に低いと味蕾による味覚がうまく働かなくなるためです。

それでもそのにおいを味と錯覚してしまうほど、人間の味覚と嗅覚は密接に関わっているのです。

このような話もあります。

ワインと魚介類を同時に口にした時に稀に感じられる不快な「生臭み」の正体が、実は味覚ではなく嗅覚に由来するものだった事が近年になって解明されました。

キリンホールディングス:世界が注目! 魚介とワインの組み合わせで発生する生臭い「におい」のメカニズムを解明


裏を返せば、ワインの微妙な味の違いをも判別できる優れた味覚の持ち主でも、味のある要素が味覚に由来するのか嗅覚に由来するのか、味覚と嗅覚を同時に使っている状態では区別できなかったわけです。


においというのは、それだけ味とは密接であり、切っても切れない関係にあるのです。


そして、味を最終的に判断しているのがである以上、その人の体調心理的要因によってさえ味の感じ方は違ってきます。

味の感じ方を変える心理的要因としては、例えば以下のような例があるでしょう。

見た目の印象
盛り付け方、彩り、食材のグロテスクさなど。
例えば和菓子などは、たとえ同じような材料で作られていても、それぞれに見た目を工夫する事で目を楽しませ、違った印象を与えてくれます。
逆に、成分的には美味しくても、見た目が酷いと「マズい物を食べている」という気分になりがちです。

色彩が食欲に影響する事も知られています。
大衆的な飲食店の看板に赤やオレンジ、黄色が多用されるのもそのためで、熟した果実の色を見分ける感覚の名残りという説があります。
逆に青色は食欲を減退させるため、視野が青く見えるサングラスをかけて食事をするというダイエット法も存在します。

・食べる場所
店の雰囲気の良し悪しや、行楽地など特別な場所で食べる事でも味の感じ方は変わってきます。

・その食べ物に関する情報
誰が作ったか、どんな材料が使われているか、価格はいくらかなど。
「好きな人が作った手料理は普通の味でもよりおいしく感じられる」とか、「高級食材が使われていて値段が高いという情報を先に耳にしていると、実は普通の食材との違いがよくわからなくてもなんとなくおいしく感じる」といった感じですね。
もちろん逆もまた然りです。


味覚というのは、それを引き起こす食べ物の成分とは必ずしも1:1で対応しない、曖昧で主観的な要素を含んだものなのです。

これを理解してうまく利用すると、いつもの料理をもっとおいしく食べる(食べてもらう)事もできるかもしれません。

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