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胆道閉鎖症の怖い合併症である、 「ビタミンK欠乏症による出血」

ライターさん(最終更新日時:2012/2/13)投稿日:

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  • 閲覧数:17913

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今回は胆道閉鎖症の怖い合併症である、
「ビタミンK欠乏症による出血」についてお話ししたいと思います。
====================================
まず先に前置きとしてお話したいのは、
「ビタミンK欠乏症」は栄養障害の一つですが、
これは胆道閉鎖症が原因という場合の他にも、
「別の原因」で「ビタミンK欠乏症」になることもあります。
決して「ビタミンK欠乏症」になったから、
お子様が「胆道閉鎖症」であると言うわけではなく、
胆道閉鎖症の合併症の一つとして「ビタミンK欠乏症」になることがあると言う事です。
原因(胆道閉鎖症)と結果(ビタミンK欠乏症)を
逆にお考えにならないようにお気をつけください。
また、「胆道閉鎖症」だから「必然的」に「ビタミンK欠乏症」になるのではなく、
「ビタミンK欠乏」になるリスクが高いとご理解くださいますよう、お願いいたします。
====================================

さて、別のノートで、母乳性黄疸では「母乳育児」の赤ちゃんは
「ビタミンK欠乏症」になりやすいと触れました。
赤ちゃんの黄疸〜母乳性黄疸で見落とされがち?

また「ビタミンK欠乏症」は「胆道閉鎖症」の赤ちゃんと深い関係があるとも述べました。
今回は「胆道閉鎖症」と「ビタミンK」と言う
二つのキーワードの関係をお話ししたいと思います。

以前、胆汁の働きについて、すこしお話をしました。【胆汁のはたらき
その時に胆汁の働きとして、
「脂溶性ビタミンが体内に吸収されやすいようにする」働きがあると述べました。
では脂溶性ビタミンとはなんでしょうか?
脂溶性ビタミンとは、
水に溶けにくく、油(脂)に溶けやすい性質のビタミンのことを言います。
水洗いや加熱しても損失することが少なく、
油と一緒に調理すると体内に吸収されやすいビタミンです。
また逆に脂溶性ビタミンは摂り過ぎると(水溶性ではないので)
尿で排出できないので、人体に害を及ぼすこともあります。
(栄養の摂り過ぎもまた体の害になりますので、栄養のバランスって重要なんですね)
脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、Kがあります。

さて、この脂溶性ビタミンであるビタミンKにはどういう働きがあるのでしょうか?
ビタミンKはK1、K2とあり、ビタミンK1は主に植物に含まれます。
ビタミンK2は微生物が作り出すビタミンであり、
人間では腸内細菌によってつくりだされています。
(チーズや納豆にも多く含まれていることで有名です。)
これらのビタミンKは、人間の体内で胆汁などと混ざり合い、
小腸で吸収されて肝臓に運ばれ、
血液の中の凝固因子をつくるのに必要なタンパク質となります。
また、骨の元となるカルシウムを定着させる作用もあります。
凝固因子は、血液を固まらせたり、出血を止める作用があります。

ビタミンKが不足すると、どういったことが起きるのでしょうか?

一番怖いのは「内出血」です。
特に赤ちゃんの場合は脳の血管が細いので、脳内出血のリスクが高まります。

また、慢性的に不足するとカルシウムが定着しにくいので、
骨がもろくなり骨粗鬆症や骨折の危険性があります。

一般的に、赤ちゃんには母乳での哺育が望ましいとされますが、
母乳の中にはビタミンKは不足しがちで、
また、産まれたばかりの赤ちゃんの腸内細菌は、
まだ必要なビタミンKを充分に作り出せない場合もあるため、
現在日本では、出生後から一ヶ月健診にかけて、
経口によるビタミンK2シロップの三回投与を国で義務付けられております。

粉ミルクには人工的にビタミンKが配合されているので、
完全母乳哺育の赤ちゃんよりはビタミンKの不足の心配は少ないと言われます。

2009年に赤ちゃんにK2シロップを投与していないことにより、
脳内出血をして亡くなった事件がおこりました。
(山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故などで検索すれば、内容がわかります)
こちらの事件自体に関しましては、
肝ったママの活動とは関係有りませんので、詳しくは述べませんが、
K2シロップ未投与によるリスクが
実はとても高いことだということを知ってもらいたいと思います。

では、胆道閉鎖症の赤ちゃんとビタミンK欠乏症はどのような関係があるのでしょうか?

ビタミンKが体内に吸収されるためには、
腸内で胆汁と混ざり合って小腸で吸収されやすくなる必要があります。
しかし、胆道閉鎖症の赤ちゃんは胆汁の分泌がない、もしくは不十分なので、
ビタミンKが体内に吸収されにくいのです。

その為、一番怖い合併症として、
ビタミンK欠乏症による内出血がおこり、しかも赤ちゃんの場合は、
脳内出血の確率が高く、これにより命を落としたり、重い障害を残したりするのです。

ただし、すべての胆道閉鎖症の赤ちゃんが必ずしも脳内出血するというわけでもなく、
またいつの時期に脳内出血するということもわかりません。
早い子では生後一ヶ月で脳内出血することもあるのです。

健康な赤ちゃんはビタミンK2シロップの投与により、
ビタミンK欠乏症を予防することが出来ますが、
胆道閉鎖症を始めとする「胆肝疾患」の赤ちゃんは、
胆汁の分泌不十分によりビタミンKそのものの吸収がしづらく、
その結果、ビタミンK欠乏症による内出血等の合併症が起こるリスクが高いのです。

ですので、胆道閉鎖症はやはり早期発見が脳内出血の合併症を避ける
という意味でも非常に重要なのです。

肝ったママが早期発見を強調するのは、
病気自体を持って生まれるのは避けられないにしても、
脳内出血という合併症リスクを少しでも減らしたいことにあり、
また胆道閉鎖症という病気自体を知ってもらいたいと活動するのは、
異常なウンチの色や黄疸は思っている以上に
危険な病気が潜んでいる可能性がある事を
知ってもらいたいとの思いがあるのです。

肝ったママじゃーなる【怖い合併症〜「ビタミンK欠乏症による出血」】

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