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Windows のライセンスとプロダクトキーについて

ライターさん(最終更新日時:2016/5/20)投稿日:

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 Windows 8 の販売開始により、本ノートの内容は古いものになりました。 Windows 8 の DSP ないし OEM ライセンスは、それまでとは異なる形態になったためです。 本ノートは、Windows 7 までの話と、お考え下さい。

(2012/10/26)


はじめに

 「知恵袋」の「コンピュータ」カテゴリなどでは、Windows のライセンスにまつわる質問を良く見かけます。 ネットオークションや中古品販売店で中古 の Windows を買ったが、違法ではないのか、使えるのか、などなど…。

 Windows のライセンスとプロダクトキーの関係は、ちょっと複雑であり、これを「多くの普通の人」に分かるように説明されている文章を、私はほとんど見た事がありません。 そこで、私の知る限りにおいて、なるべく分かりやすく、Windows ライセンスについて説明してみようと思います。

ライセンスとは

 直訳すれば「免許」「許可証」です。 Windows のライセンスは、「使用許諾」などと訳されます。 文字通り、これを持っていなければ、Windows を使う事は許さないよ、という物です。

 2001年頃に発売された Windows XP 以降、Windows にはライセンス認証という機能が搭載されています。 これは、使用中の Windows に関する情報を Microsoft に送信して、それが正規品である事が証明できないと、継続使用が出来なくなる、という仕組みです。
 ライセンス認証を回避して Windows をコピーして使う事は、技術的には可能です。 もちろんそんな事をすれば権利侵害ですが…。



  •  Microsoft も、その辺の事は分かっていて、「ライセンス認証は、違法コピーを防ぐ技術ではなく、違法コピーは良くないという認識を広めるための技術である」と言っていました。

プロダクトキーとは

 ライセンス認証をするために必要な情報で、Windows セットアップ時に入力を促される、英数字から成る文字列です。 製品ごとに異なるものが使われている、とされています。 なお、OEM ライセンス(後述)の Windows は、ライセンス認証済みの状態で出荷されるため、セットアップ時のプロダクトキー入力はしません。

 「マイコンピュータ」のプロパティで見る事が出来るプロダクトID とは全くの別物です。 プロダクトID は、製品の種類を表しているに過ぎず、インストールにもライセンス認証にも関係がありません。


Windows ライセンスの種類

 ライセンスとプロダクトキーの関係を知るために、どうしても知っておかねばならないのが、ライセンスの種類についてです。 Windows は通常、以下の5種類のライセンスで販売されています。

1.FPP(リテール・パッケージ製品)
2.DSP(システム・ビルダー版)
3.OEM プリ・インストール版
4.VL(ボリューム・ライセンス)、追加ライセンス
5.MSDN にて提供される Windows
(中古再生 PC 用の「MAR」については追記をご覧下さい)

 これらのうち、個人が購入するのは、大抵、1.~3.のいずれかです。 個人でも4.~5.は購入出来ますが、普通の個人は、まず購入しないでしょう。 以下、それぞれについて説明します。


▼1.FPPFull Packaged Product、リテールパッケージ製品)
 インストール・メディア(CD-ROM や DVD-ROM)、マニュアル、プロダクトキーなどが同梱されたパッケージの形で販売されるものです。 販売店の店頭にある「単体の Windows の箱」が、これです。 1製品ごとに1ライセンスが付きます。

 メディアによるインストール対象は、性能条件(CPU の処理速度、メモリ容量など)さえ満たしていれば、PC の機種を問いません。 自作機、メーカー製 PC、中古、何にでもインストールして使用出来ます。 ただし、デバイス・ドライバーは、ユーザーが別途用意しなければなりません。

 ライセンスは同梱のプロダクトキーに「宿って」いるので、プロダクトキーを紛失したら、使用権を失います(インストールは出来ますがライセンス認証が出来ず、継続使用出来ません)。
 一方、メディアは破損・紛失しても、Microsoft が実費でメディアだけ販売してくれます。


 1ライセンスは、顧客がインストールしようとする1台の PC に対してのみ有効で、同時に複数台の PC で使用する事は出来ません。 アンインストールした後ならば、別の PC にあらためてインストールし認証する事は出来ます。

 Microsoft が顧客に直接販売するものであり、技術サポートは Microsoft が行います。
 アップグレードは、対象製品の場合に限り可能です。

▼2.DSPDelivery Service Partner、システムビルダー版)
 ハードウェアにバンドル(抱き合わせ販売)、またはプリ・インストール(予めインストールされている事)した形で販売されるもので、メディア、プロダクトキーなどが同梱されています。 「メモリーとか HDD 等の部品と一緒に買うと、安く買える Windows」というのが、これです。 1製品1ライセンスになっています。 実質的には「自作 PC ユーザー優遇ライセンス」と言えます。

 メディアによるインストール対象は、性能条件を満たし、付属ハードウェアを使ってさえいれば、PC の機種を問いません。 自作機、メーカー製 PC、中古、いずれにもインストール出来ます。 ただし、デバイスドライバーは、ユーザーが別途用意しなければなりません。

 ライセンスは「同梱のプロダクトキーとハードウェアの組み合わせ」に「宿って」います。 メディアを破損・紛失した場合、どうなるかは、ハードウェア販売店の対応次第です。

 1ライセンスは、顧客が購入したハードウェアに対してのみ有効で、同時に複数台の PC で使用する事は出来ません。 アンインストールした後に、別の PC にあらためてインストールし認証する事は出来ますが、ライセンス保有ハードウェアを使った PC でなければなりません

 販売店が顧客に販売するものであるため、技術サポートは販売店が行います。
 アップグレードは、出来ません

▼3.OEM プリインストール版
 おそらく、これが一番分かりにくく、混乱を招くライセンスです。

 PC メーカーより出荷されている PC にプリインストールされた形で販売されるもので、リカバリ(復旧)メディアPC 貼付プロダクトキー・シールから成っています。 1製品1ライセンスになっています。
(最近は、リカバリ・メディアの内容を、内蔵ドライブの「DtoD領域」に格納してある製品が増えてきました)

 このライセンスで注意すべきことは、リカバリ・メディアは、インストール・メディアとは異なる、という点です。

 知るべき点は2つあります。


 1つ目は、リカバリメディアは文字通り、PC を購入時の状態に戻すためのメディアだ、ということです。 インストールメディアは Windows のインストールをするだけですが、リカバリは Windows のインストールに加えて、その PC 特有のデバイスドライバーや、購入時のデスクトップ状態などを設定します。


 2つ目は、このライセンスの Windows は、SLP(System Locked Pre-installation)処理が施されている、ということです。 SLP 処理された Windows は、インストール時にハードウェアの「印」を読み取り、それが「知らないもの」であれば、インストールを停止します。 つまり、リカバリメディアは、該当機種以外の PC には使えません。 

 また、SLP 処理されている Windows は、メーカーが出荷前にライセンス認証を済ませているので、顧客はプロダクトキーを入力する必要がありません。

 リカバリメディアによるリカバリ対象は、その PC だけです。 たとえ同型機であっても、物理的に異なる PC にリカバリすると、ライセンス違反になる事があります。 またリカバリには、その PC 用のデバイスドライバーが含まれるので、ユーザが用意する必要はありません(ユーザが追加する周辺機器についてはもちろん用意が必要です)。

 ライセンスは、「PC に貼付されている状態のプロダクトキー・シール」に宿っています。 プロダクトキーシールをはがすと、ライセンスは失効します。 つまり、ネットオークションで時折り見かける、「はがしたプロダクトキーシール」は、たとえライセンス認証が通るとしても、ライセンス違反です。

 1ライセンスは、顧客が購入した1台の PC に対してのみ有効です。 その PC が故障して使えなくなれば、ライセンスも共に「死にます」

 PC メーカーが顧客に販売するものであるため、技術サポートは PC メーカーが行います。
 アップグレードは、出来ません

▼4.VL(Volume License、ボリュームライセンス)、追加ライセンス
 たとえば企業で PC を数多く揃えたいという場合、メディアを台数分購入するのは無駄です(数百台のインストールを全て同時にはしないでしょう)。 そういう用途のために、「ある程度の枚数のメディア」と「必要数分のライセンス」を販売するのが、ボリュームライセンスです。

 追加ライセンスは、すでにパッケージ製品 Windows を持つ顧客が、新たに別の PC へ、その Windows をインストールしたい場合のために、ライセンスのみを追加購入するものです(OEM製品には適用出来ません)。


 いずれも、ライセンス条件は、FPP に準じるものになります。


▼5.MSDN にて提供される Windows
 主に開発者用に、新旧バージョンの Windows が自由に使える販売形態として MSDN Operating Systems があります。
 このライセンスは、「開発の道具に使う」ためのものです。 本ライセンスの Windows の使用用途は、「設計、開発、テスト、デモンストレーション」に限定され、メールの送受信や、開発以外の業務には使えません(機能としては使えますが、使うとライセンス違反になります)。
 他のライセンスと異なり、購入した開発者に「宿る」ライセンスです。 ライセンスを分割して他人に貸与・譲渡する事は出来ませんが、購入開発者自身が使うものに限っては、複数台の PC にインストールしても構いません。


1.~3.それぞれの「性格」

 以上から、個人が普通に買える1.~3.の Windows ライセンスの「性格」は、次のようなものだと言えるでしょう。

1.リテールパッケージ製品(FPP)
 個人が普通に買う Windows の中では最も高価(2万~3万円以上)ですが、最も制限が緩く、持っていれば何かと安心のライセンスです。 PC を乗り換えても、今まで使っていた Windows をアンインストールもしくは破棄すれば、新しい PC にインストール出来ますし、新しいバージョンの Windows が出たらアップグレード版を安く購入出来ます。

2.システムビルダー版(DSP)
 新しい Windows にはアップグレード出来ませんが、FPP よりも安く、「PC 本体を乗り換えても、同時購入した部品さえ引き継げばライセンスを使い続けられる」ので、そのバージョンの Windows を安く使い倒したい人に向いています。

3.OEM プリインストール版
 メーカー PC と一体化している Windows と言えます。 その PC と共に生き、共に死にます。 制限は厳しいですが、安い PC をうまく選べば、そのバージョンの Windows を安く使える利点があります。


具体的な例をいくつか

▼メーカー製 PC を他人から譲り受ける・購入する
 リカバリメディア(もしくは内蔵ドライブのリカバリイメージ領域、DtoD領域)と、本体貼付のプロダクトキーシールが揃っている事を確かめましょう。 この2つが揃っていれば、正しいライセンスです。
 もし、プロダクトキーシールがはがされているならば、あなたは別途、何らかの形でライセンスを入手しなければなりません。 また、入手したライセンスが FPP なら、リカバリメディアは使わずに FPP のインストールメディアを使い、デバイスドライバーは自前で用意することになります。
 もし、リカバリメディアが無いならば、その機種用のリカバリメディアを入手する必要があるのですが、これがライセンス違反になるかどうかは、ケース・バイ・ケースであり、断定的な事は言えません。 機種によっては、メーカーが実費でリカバリ・メディアを販売していますが、そういう機種であれば、「別途入手」はライセンス違反ではないと言えます。

▼メーカー製 PC のリカバリメディアのコピー品を譲り受ける・購入する
 リカバリを個人でバックアップして持っておく事は全く問題ないのですが、これを他人に譲渡する事については、ケースバイケースで、何とも言えないところです。
 メーカーがリカバリメディアを有償頒布している機種の場合、バックアップ・メディアを販売・譲渡するのは、「営業妨害」と言えるかもしれません。

▼メーカー製 PC からはがされたプロダクトキーシールを売買する・使う
 はがされた時点でライセンスが失効します。 従って、そのプロダクトキーで Windows を使うのはライセンス違反です。

▼FPP ないし DSP のインストールメディアだけを譲り受ける・購入する
 プロダクトキーが無ければ、ライセンスを伴っていませんので、それはただの樹脂円盤に過ぎません。 安く売られているのを見かけますが、入手してインストールしてもライセンス認証が出来ません。

▼FPP ないし DSP のプロダクトキーだけを譲り受ける・購入する
 別途インストールメディアがあれば、インストールしてライセンス認証する事は出来ます。 しかしもともと同梱でないものを使うのは、ライセンス違反です。 Microsoft がそれを知るすべは無いでしょうけれども、推奨は出来ません。


特殊なリカバリ・メディアについて

 本項は、私の推理を多く含んでいますので、「よた話」としてお読み下さい。

 ネット・オークションなどを見ていて、なぜか DELL社製コンピュータのリカバリ・メディアが、やたらと取り引きされている事に気付かれた方がいらっしゃることと思います。 また、同社製コンピュータのプロダクトキー・シールも、やたらと取り引きされています。
 上記の知識からすれば、これらは全てライセンス違反であるにもかかわらず、「どんな PC にもインストール出来ます」とか「ライセンス認証通ります」などと書かれているものも多く見かけます。

 これには、DELL の特殊な事情があると、私は考えています。


 DELL のコンピュータは、個人向け PC と企業向け WS(Work Station)、企業向けサーバ、この3種のラインアップが主力製品です。 サーバは PC としては扱いづらいものですが、WS はハードウェアとしては PC と大差なく、PC として全く普通に使えます。

 そして、「人気のある DELL製の中古リカバリおよびプロダクトキーシール」は、ほとんど全て、企業向け WS に付いていたものです。

 これら DELL製 WS のリカバリメディアは、「Windows のリカバリメディア」と「ドライバー・メディア」に分かれています。 他のメーカー製 PC のリカバリメディアと違って、Windows OS とデバイスドライバーが分離されているのです。

 つまり、DELL製 WS のリカバリメディアは、Windows インストールメディアと、きわめて近いものです。


 そして、DELL の WS は、たとえ異機種であっても、「近い機種」の Windows リカバリメディアがあれば、Windows がインストール出来てしまいます。 たとえば、Optiplex 745 用の Windows リカバリメディアで、Optiplex 755 に Windows がインストール出来るのです。
(「Windows リカバリメディア」という言葉はおかしいのですが、DELL製 WS に限っては、そう言っても良いかと思います)

 しかもプロダクトキー入力も無く、ライセンス認証動作もしません(おそらく SLP処理済みのため)。
 さらに、ドライバーメディアも、近い機種の間では共通のものが使われています。

 これは、他のメーカー製 PC では、ちょっと有り得ない話です。 他メーカー製 PC のリカバリメディアを他機種に使えば、SLP によって「ハードウェアの印が違う」と判断され、Windows インストール自体が止まってしまうからです。


 しかし、企業向けに、きわめて大量に納入される「兄弟機種」については、Microsoft は「多少目をつぶっている」のではないか…と思われます。

 企業が WS を導入するにあたって、同時期の製品を選定する際、下位機種を大量に、上位機種を少なめに発注する、というのは自然な形でしょう。 それらのインストール作業を楽に進めるためには、機種毎に違うメディアではなく、共通のメディアである方が都合が良いわけです。
 ライセンス的にはごちゃごちゃの状態になりますが、そもそも大量に発注されるので、多少のマイナスは吸収出来る…Microsoft がそう考えていても、不自然ではないでしょう。

 また、SLP が「ハードウェアの印を照合する」仕組みを持つ以上、「兄弟機種」の間でインストールメディアを使い回すためには、「ハードウェアの印」が「兄弟機種間で共通」でなければなりません。
 もしこれが同一時期のコンピュータだけでなく、2~3年にわたるシリーズ機種においても共通なのだとしたら、もしかすると、「DELL製 WS の Windows に施されている SLP は、ハードウェアの印を見ない」可能性も考えられます。
 そうだとすれば、「どんな PC にもインストール出来ます」「ライセンス認証通ります」という文言は、その通りなのでしょう。

 とは言え、DELL製 WS のリカバリメディアを、他社製・自作 PC に使うのは、もちろんライセンス違反です。


最後に

 「自分で何とかしよう Do it yourself」は、「全て自己責任 At your own risk」でもあります。 ライセンスを完全に理解し、危ない橋をうまく渡れば、Windows を安く使えるかも知れませんが…

 ライセンスのややこしさが呑み込めないのであれば、リテールパッケージ製品を選びましょう。

 リテールパッケージ製品の値段に納得出来ないなら、ライセンスについて学び、より安い DSP や OEM のライセンスをうまく使いましょう。

 それも納得出来ないのであれば、Windows を使わない、というのも1つの選択です。 たとえば Linux です。 
Linux には多くの種類(ディストリビューション)があり迷いますが、Windows 経験者におすすめなのは、Ubuntu(ウブンツ)というディストリビューションです。 PC 雑誌に付録で付いていることもあります。 ネット閲覧、メール、オフィスソフトなど、一般的用途であれば、「タダの OS」Ubuntu でも充分です。

追記

 jhotqyさんから、「ライセンスの保有を証明するモノは4つ有る」という事と、「使用許諾契約書 (EULA) には、~ライセンスを取得したコンピューターと共に譲渡する場合にのみ、本ソフトウェアを第三者に直接譲渡することができ~、とあるため、部品だけではダメなのではないか」という事についてご指摘をいただきました。

 前者については下記リンクに書かれている通り、使用許諾契約書 (EULA) 、COA(プロダクトキーシール)、オリジナルのメディアとマニュアル (有れば) 、購入した際の納品書または領収書、の4つです。
http://www.microsoft.com/ja-jp/sam/samlicensing.aspx
 しかし、この4つは、「ライセンスの所有を証明するために必要なものであって、たとえば領収書が無いからといってライセンスの保有権が無くなったり、ライセンスが無効になるわけではありません。
 本ノートは、Windowsライセンスとはどういうモノか、その複雑な有り様を整理して、分かりやすく書く事を目的としており、ライセンス保有の証明には踏み込みませんでした。

 後者については諸説有ります。 そうなっている理由は、DSP 版ライセンスの成り立ちと運用が特殊である事です。

 なぜ、多くのメーカーと Microsoft が、DSP と OEM を「わざとごちゃ混ぜに分かりにくく書く」のか、それは、有り体に言えば、DSP版ライセンスというものは「好ましくないけれど仕方なく作ったライセンス形態」だからです。
  本文で、DSP版は「自作ユーザ優遇ライセンス」だと私は書きました。 自作 PC ユーザが増え始めた頃、まだ DSP ライセンスは存在せず、エンドユーザの選択は FPP か OEM でした。 しかし自作ユーザが OEM、つまりメーカー製 PC を選ぶ事は当然ありません。
 ところが FPP は高価ですから、自作 PC ユーザはフリーの OS、つまり Linux に流れるのではないか、そう危惧した Microsoft が、「いつかは壊れる部品」という「時限的な縛り」と引き換えに、安く Windows ライセンスを提供する、という趣旨で始めたのが DSP です。

 DSP のライセンス条項・規定は OEM に準ずるのですが、DSP 特有の条項・規定は、ほとんど見つける事が出来ません。 Microsoft は DSP のパーツについて、「共に販売される DSP版 OS がインストールされる PC に組み込んで使用していただくよう、エンドユーザーへ説明してください」と過去に示したのみで、「組み込んで」が具体的にどういう状態なのかすら定義して いません(一般には、「PC に接続され、OS が認識していれば動作は不問」とされていますが、これは「勝手な解釈」に過ぎません)。
 DSP のライセンス認証において、Microsoft から電話で「部品を PC に接続せずに PC 筐体の中に放り込んでおくだけでもライセンスは有効」という返答をもらった、という実例が有るのは、DSP が「苦し紛れに生み出されたライセンス」である上に、「組み込んで」が未定義であるためです。

 つまるところ、Microsoft は FPP や OEM を売りたいわけで、DSP は「他 OS にユーザが流れるのを防ぐためのライセンス」であり、積極的に売ろうとは考えていないのでしょう。 「パーツを放り込んでおけば OK」というのは、ずいぶん乱暴な話ですし、電話認証というのも、考えてみれば変な仕組みなのですが、Windows ユーザが他 OS に「流れて」行ってしまうよりは……という事なのでしょう。
 こうした姿勢と背景が、DSP版にまつわる様々な混乱と推測を呼ぶのだと思います。 こう言ってしまうと身も蓋も無いのですが、結局、DSP版について最も確実な話は、Microsoft に電話する事でしか得られません。
(2012/10/11)
 ab_sm_yz さんから、MAR(Microsoft Authorized Refurbisher)についてのアドバイスをいただきました。 Microsoft の説明を見る限り、これは「OEM プリインストール機などのライセンスを消去し、DSP に準ずるライセンスを付け直したもの」と考えられます。
http://www.microsoft.com/ja-jp/piracy/mar/default.aspx
(2013/10/02)

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