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バレリーナ・女性バレエダンサーの、適正な身長体重(自分が痩せてるかどうかの見分け方)

ライターさん(最終更新日時:2016/4/14)投稿日:

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バレリーナ(女性バレエダンサー)のあるべき体重とは?

痩せていることが絶対に必要、と思われている、バレリーナという職業。

プロのダンサーだけでなく、バレリーナを夢見る少女たち、お稽古バレリーナですら、ほとんどの人が「もっと痩せなくちゃ」と常に思っているのがこの業界のお約束。

「バレリーナの理想体重は身長-120」とか、「(身長-110)×0.9」とか、「40kg以上あってはダメ」とか、聞かれた方も多いと思いますが、本当なのでしょうか?

痩せなくちゃ、と思いすぎて、中高生どころから小学生から極端な食事制限をしたり、拒食・過食などの摂食障害に陥る人も多い、一歩間違えばキケンなトピック。

この知恵ノートでは、もう少しリアルな、バレリーナの体重像を描いてみたいと思います。


ローザンヌ国際バレエコンクールの基準

日本では若いダンサーの登竜門として大変人気の高い、ローザンヌ国際バレエコンクールでは、参加者について、Health Policy(健康に関する基準)を設けて、その順守を求めています。http://www.prixdelausanne.org/competition/health-policy/


ローザンヌ委員会としては、バレエダンサーというのは確かに見た目という面からスリムであることは必要だが、一方、身体を極限まで酷使する職業であるため、栄養状態が良好で、十分な筋肉量・骨密度を含む健康な身体という基礎が無い限り、プロとしては相応しくない、と考えているのです。

ですから、コンクールに参加するためには、ビデオ審査の出願時に、主治医による証明書を提出しなければなりません。この中では、身長・体重、生理が始まっているか(不順ではないか)、栄養障害の有無、これまでの身長体重の推移、普段の食生活や食事に対する考え方を、主治医に証明してもらわなければなりません。

http://www.prixdelausanne.org/wp-content/uploads/2014/06/Med1-Health-State-j.pdf

http://www.prixdelausanne.org/wp-content/uploads/2014/06/Med3-Eating-Attitude-Test-j.pdf

http://www.prixdelausanne.org/wp-content/uploads/2014/06/Med2-Growth-Diagram-e_avecexample.pdf


ローザンヌ委員会の医師は、証明をしてくれた主治医に直接連絡して説明を求めることも出来ますし、健康不良と判断した場合には(いくらビデオでの踊りの出来が良くても)ビデオ審査を通過させないことも出来ます。また、ビデオ審査は条件付で通過として、現地で本人や家族から聴取・指導することもあり、としています(この段階で現地審査参加不可となる可能性もあり)。


中でも注目すべきは、BMIの観点を基準とした、身長・体重に関する考え方です。

http://www.prixdelausanne.org/wp-content/uploads/2014/11/PDL-Health-Policy.pdf

上記は英語・フランス語でしか公表されていませんが、最終ページに掲載されている結論(ローザンヌ委員会への提言)は、次のとおりです。

Appropriate weight gain should be achieved as the student grows, with maintenance
of a BMI above Grade 2 thinness cut-off level (based on Table 1). This means a BMI
not below 16 kg/m2 at the age of 15 years, 16.4 kg/m2 at the age of 16 years, and
16.8 kg/m2 at the age of 17 years and 17 kg/m2 at the age of 18 years.


Table 1というのはこの文書の4ページから5ページにかけて掲載されている、年齢ごとのBMI値を指します。Thinnes Gradeというのは「痩せ度合い」のことで、Grade 1は「痩せ」Grade 2

は「深刻な栄養不良(痩せすぎ)」Grade 3は「極度に深刻な栄養不良(極度な痩せすぎ)」と定義されています。そして、上述の結論は要は、「参加者のBMIは、Grade 2を下回ってはならない。すなわち、15歳ならBMI 16、16歳ならば16.4、17歳ならば16.8、18歳ならば17を下回ってはならない」ということになります。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)ですから、逆に身長の二乗にBMIを掛けたものが、最低体重となります。なので、身長160cm(1.6m)の場合には、15歳なら約41kg、16歳ならば42kg、17歳ならば43kg、18歳ならば43.5kgが、ローザンヌ委員会の考える最低体重なのです。


ローザンヌ国際バレエコンクール参加ダンサーの平均値

上記のHealth Policy作成の際の根拠の一部となったのが、バレエダンサーの食生活と健康状態を調べるためにローザンヌコンクール事務局の協力の下行われた調査を元に執筆された「The effects of nutrition, puberty and dancing on bone density in adolescent ballet dancers 」というタイトルの論文です。この論文のTable 1に、2004年、2005年のローザンヌコンクール参加女性ダンサー127人(15歳~18歳)の平均身長と体重が掲載されています。これによると、

 女性ダンサー全体

   平均身長 163.6cm  平均体重 47.8kg  平均BMI 17.8

 白人ダンサー

   平均身長 164.8cm  平均体重 49.4kg  平均BMI 18.2

 アジア系ダンサー

   平均身長 162.3cm  平均体重 46.0kg  平均BMI 17.5

であったということです。

あくまでも平均ですから、上記よりも太い人も細い人もいます。このコンクールに出場されるダンサーは、プロを目指している人がほとんどですから、職業としてバレエを続けていくにしても、BMIに換算して17~18前後であれば問題ないこと、「身長-120」を必ずしも達成する必要が無いことが分かるかと思います。


身長・体重がネット等で入手可能なプロのバレエダンサー

実際に現地で身長体重を計測して作成された上記の論文のデータに比べると客観性は劣るかと思いますが、ネット上で、著名バレエダンサーの身長体重を調べてみました。

 ポリーナ・セミオノワさん:  170cm 50 kg (BMI 17.3)

 草刈民代さん:  168cm  49kg (BMI 17.16)
 ニーナ・アナニアシヴィリさん:165 cm  49kg (BMI 18.0)
 加治屋百合子さん:  164cm  45kg (BMI 16.7)
 ナタリア・ベスメルトノワさん:  160cm  45kg (BMI 17.6)

  吉田都さん:  158cm  45kg (BMI 18.0)

 森下洋子さん: 150cm  38kg (BMI 16.9)

こちらもほぼ、ローザンヌ国際バレエコンクール参加者と似た数値ですね。


オペラ座バレエ学校の入学基準

こちらは、上記に比べると少し年齢が低くなり、また年齢別の最高/最低 身長/体重ということで幅のある数値になります。(BMI値は参考のために当方で単純計算したもので、最低値は最小体重を最高身長の二乗で割ったもの、最大値は最大体重を最低身長の二乗で割ったものです。)

 8歳:  身長 132~135cm 体重 22~25kg (BMI 12.6~14.3)

 9歳:  身長 135~138cm 体重 25~27kg (BMI  13.1~14.8)

 10歳: 身長 138~142cm 体重 27~29kg (BMI 13.4~15.2)

 11歳: 身長 142~150cm 体重 29~34kg (BMI 12.9~16.9)

 12歳: 身長 150~155cm 体重 34~40kg (BMI 14.2~17.8)

 13歳: 身長 153~160cm 体重 38~43kg (BMI 14.8~18.4)

 

元データは下記リンクをご参照ください。

https://www.operadeparis.fr/artistes/ecole-de-danse/admission


なお、ローザンヌ委員会のHealth Policyにある、Grade 2 Thinnes Cutt-off Level(すなわち、年齢ごとの最低BMI値は、

 8歳:13、9歳:13.2、10歳:13.4、11歳:13.8、12歳14.3、14歳 14.9

なので、ほぼ一致しています。11歳のBMIデータが突出しているのは、ちょうど成長期ということもあって、バレエ学校側が結構幅広めに身長体重を設定しているためと考えます。


モスクワ国立舞踊アカデミー(いわゆるボリショイバレエ学校)の入学・在籍基準

今まで書いたことは基本的に、西側諸国の基準がメインとなっていますが、ロシアのバレエ界では現在でも更に細いことが求められるようです。モスクワ国立舞踊アカデミーのHPに掲載された、身長別体重表は、次のとおりです。

http://www.balletacademy.ru/www/upig-4.shtml

(英語への翻訳バージョンをご覧になりたければ、Google翻訳を経由した下記リンクをお試しください)

https://translate.google.co.jp/translate?sl=ru&tl=en&js=y&prev=_t&hl=ja&ie=UTF-8&u=http://www.balletacademy.ru/www/upig-4.shtml&edit-text=&act=url


上の表が女子の身長別体重表で、「рост」が身長(cm)、「вес」が体重(kg)です。(なお、下の方にある二段になっている表が男子の表です)

身長169cm以下の場合は±1kg、170cm以上の場合で±2kgの幅が認められますが、相当硬直的な基準のようです。抜粋すると次のとおりです。

 身長 150cm の場合は 体重 32-34kg (BMI 14.2~15.1)

  身長 155cm の場合は 体重 35-37kg (BMI 14.6~15.4)

 身長 158cm の場合は 体重 36.5-38.5 kg (BMI 14.6~15.4) 

 身長 160cm の場合は 体重 38-40kg (BMI 14.8~15.6)

 身長 163cm の場合は 体重 39.5-41.5kg (BMI 14.9~15.6)

  身長 165cm の場合は 体重 41-43kg (BMI 15.1~15.8)


身長160cmまでの場合は、まだ成長期前ということもあって、ローザンヌコンクールの基準(若年層ほど身長も低いためかBMI値も低い)に照らしてみても許容範囲とも考えられますが、この身長を超えた人については、ローザンヌコンクールへの出場が許されない可能性が高い細さです。


ここで強調させていただきたいのは、ボリショイ基準を、あるべきバレリーナの体重と考える必要はまず無いだろうということです。そもそもこの体重は、将来確実に世界的レベルのプロのバレエダンサーになる人たちで、しかも本人の身体条件(脚の長さが身長の1/2以上等)や身体能力に加えて、両親や祖父母の体型などまで考慮に入れて選ばれ抜かれた人たちが維持すべきレベルであり、また栄養士等の専門家の監督の下にやっているのです。人間の体型には個人差があり、もりもりいくら食べてもスリムなままで、健康診断でも全く問題ない人たちも世の中にはいます。そういう体質の人たちが上記のような体重である、ということと、普通に食べて運動した場合にもう少し体重があるのが本来の体型なのに、自己流の極端なダイエットをして上記のレベルまで無理やり体重を落とすのは、全く意味が違うのです。むしろこちらのデータは、「ロシアで世界的に通用する職業バレエダンサーになることを真剣に目指すとしても、これ以上に体重を落とす必要は全く無いこと」をご理解いただくためにご覧いただくべきと思います。


一般の(バレエダンサーに限らない)小中学生の、身長体重基準

「肥満度判定曲線」というものが公表されています。

http://jspe.umin.jp/public/himan.html

女子小中学生については、「女子用学童用肥満度判定曲線」のアイコンをクリックしてください。

データの出し方が違うため照合は難しいですが、オペラ座バレエ学校の基準が、概ね上記の表の-20%ライン(痩せすぎ)になりそうです。

なお、-20%ラインというのは、標準体重を20%下回っている体重、という意味であって、痩せている方から20%、という意味ではありません。-20%ラインのレベルまで痩せている人はそう多くないことに注意してください。


成人の身長体重基準

現代では一般的に、BMI基準が用いられます。

上記説明でも何度か登場しましたが、BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求めることができます。

日本肥満学会による「肥満症診断基準2011」では、

 BMI 18.5以下 = 低体重

 BMI 18.5超 25未満 = 普通体重

 BMI 25超 肥満

と定義しています。(なおBMI 22が標準体重とされています)

この基準に当てはめると、上記バレリーナの体重は、すべて低体重に分類されます。

ですから、バレエダンサーが客観的に見てスリムであることは間違いないのですが、痩せているか太っているかは、本来、一般の人との比較で判断すべき話で、痩せてる人ばかりのバレエ業界内での比較だけで判断するのは、健康面から見ても問題が大きそうです。


なお、少し古いですが、BMIが知られていなかった1986年に当時の厚生省が「肥満とやせの判定表」というものを公表しています。

http://www.k3.dion.ne.jp/~masatono/every/diet/check04.htm

BMI値は加齢による体重増加傾向や、身長が高い人ほどBMI値も高くなりがちという点を考慮していませんが、こちらは、年齢別・身長別の体重が表示されているため、こちらも参考にされても良いかもしれません。


終わりに

上記のように、色々な体重判定ソースをまとめてみましたが、いかがでしょうか?


Yahoo!知恵袋をはじめ、色々な掲示板などで、バレエを習っている少女たちが、「私、150cm 32kgです。バレリーナの体重は身長-120でなければいけないのに、太ってるのであと5kg痩せたいです」とか、「身長165cmです。バレエの先生に、バレリーナは体重40kgを超えてはいけないと言われました」等書き込んでいるのを見て、本当にぞっとするのです。(だいたい、もし身長-120だとしたら、身長120cmの人は0kgです。これだけ見ても基準がおかしいのは分かるはずなのに、それに思いも至らないマインドコントロール状態を恐ろしいと感じてしまうのです)


大人になって、自分で情報収集をし、判断能力がある人たちが、それでも敢えて必要以上にダイエットする、、、この場合は、自己責任でやってください、でもまだ良いのかもしれません(決して薦められた話ではないですが)。 でも、成長期やその前の時期に、根拠のない、ある意味都市伝説としか言えないような「バレリーナの体重神話」に騙されて、食事を極端に減らしてしまう。。。


ローザンヌコンクールのダンサーの平均身長がだいたい162~164cmと上述しました。また、日本の新国立バレエ団も、女性バレエダンサーのオーディション参加条件を163cm以上としています。ロシア人女性の平均身長は164cm、アメリカ人164.8cm、イギリス人163.7cm、フランス人162.5cmに対して、日本人女性の平均身長は158cmしかありません。つまり、日本人がトップクラスのバレリーナとして活躍するためには、身長を平均的な人よりも5cmほど伸ばさなければならないのです。そのためには幼少期~成長期にかけて栄養状態が十分であることが絶対条件だと容易に想像できますが、一方で「痩せなさい」プレッシャーが強いあまり、食べるべきものを食べなかったら??? 世界レベルのバレエ学校の基準まで痩せても、結果として背が伸びなければ、それを披露する場すらないのです。しかも、低栄養状態は、骨や筋肉、肌や髪の毛、内臓、そして生理などにも深刻な影響を与えます。また、拒食症・過食症などの摂食障害に陥ってメンタルをやられ、その後何年どころか何十年にもわたって苦しんでいる人も多いのです。


ご自身が太ってるかどうかを確かめるために、この知恵ノートを読んでいただいた方は、ぜひ、自分自身の将来のために、理性的な正しい判断をしてください。

そして、子供たちに痩せるように求めている先生方やご家族の方は、どうか、ご自身が求めるレベルが客観的にも適切なものであることを確認のうえ、栄養学に基づき、かつ子供の年齢・体質・体型に最適なダイエット指導をしていただければと思います。

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