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ヒトと他の動物との最大の違いは? Part1

ライターさん(最終更新日時:2015/12/6)投稿日:

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高度な文明・科学技術を持ち、それを足がかりに安定的な食糧生産手段を獲得し、大量の資源を採掘してさまざまな製品を作って豊かな生活を享受し、大型動物としてはかつてないほどの繁栄を謳歌している人類。ダーウィンによる進化論が登場する以前は、現代科学で信じられているヒトと他の動物との遺伝的つながりを示す進化系統樹はなく、神によって特別に作られた存在であると広く信じられてきました。

しかし、進化論や生態学、遺伝学を含む生物学の発展により、ヒトは一般に思われているほど生物として特殊ではなく、さほど特別な存在でもないことが分かってきました。

ここでヒトと他の動物との違いについて考えるのは、生物全般における人類の立ち位置をより正確に認識し、一般に広く知ってもらい、また今後の人類が他の生物と協調しながらいかに末長く繁栄していくかという課題について、個々人から人類全般の生き方を考え、お互いに知恵を出し合ってゆくための土台となると思うからです

大型動物としては意外に普通の動物であるヒト

近年は遺伝子工学が著しい発展を遂げ、ヒトゲノム解析によってかつては10万以上はあると考えられてきたヒトの遺伝子数が、新らしい推定値は2万1787個(人により個人差あり)であると2004年10月21日付英科学誌「ネイチャー」に掲載され、これほど少ない遺伝子からヒトの複雑な体や脳が構築されているという事実は、他分野の科学者のみならず生物学者にとっても大変な驚愕と狼狽を与えました。その後、イネやトウモロコシなどイネ科植物の遺伝子がヒトよりずっと多いことや、小型の動物であるウニの遺伝子の数がヒトとほとんど同じであり、しかも70%がヒトと共通していることなどが判明すると、高度な文明をもつ人間は動物の中でもっとも精巧にできていて遺伝子の数で他の生物より優位にあるはずだというかつての予想は、間違いであることが確定的となりましたさらに、ヒトとチンパンジーとのDNA(遺伝子を構成する塩基配列)の違いはわずか1.3%にすぎないとする論文が米科学誌「サイエンス」で発表されるなどして(推定値には1~4%ほどと差があり、もっと違いは大きいのだとする説もある)、化石の発見とその年代測定からヒトともっとも近縁な動物種は約700万年ほど前に共通祖先から種分岐したと推定されるチンパンジー、ボノボであること、その違いは例えばゴリラとオランウータンとの間より近く、イヌとネコとの違いよりはるかに近く、ライオンとトラとの違いよりは遠いことなどが分かってきました。これらの新しい発見により、進化系統図も見直され、かつては人とは別々の科とされていた類人猿のうち、ゴリラやチンパンジー・ボノボがヒト科というくくりの中に入ることになりました。なお、遺伝子数で最多の動物はミジンコです。

遺伝子・ゲノム・塩基対
遺伝子数のギネス記録

ポイント

  • 生物学(分類学)的には、ヒト(現生人類、ホモ・サピエンスともいう)はサル目に属するサルの仲間であり、現存する動物の中ではゴリラ、チンパンジー、ボノボとともにヒト科に属し、絶滅種も含めるとホモ・エレクトスやホモ・フローレンシス、ホモ・ネアンデルターレンシスなどとともにヒト属に属します。遺伝学や分類学など生物学的にみる限りにおいて、ヒトは他の動物と比較して大差はないのです。
 
さて、生物学的にはチンパンジーやゴリラなどとあまり大きく違わないとされる人類。ではなぜ人類だけがロケット技術によって他の天体に到達するなど、著しい科学技術の発展を遂げることができたのだろうか。それを考える前に、ヒトと動物の違いについての迷信・俗説をいくつかピックアップしておきたいと思います。

ヒトと他の動物のと違いに関する迷信・俗説

・ヒトだけが直立二足歩行できる
・ヒトだけが道具を作り出し、使える

・ヒトだけが火を使用できる
・ヒトだけが服を作り、それを着用することができる
・ヒトだけが理性を備えている
・ヒトだけが死の概念(抽象概念)をもっている
・ヒトだけが同種間で大量殺戮を行う
・ヒトだけが言語によるコミュニケーションができる
・ヒトだけが農耕・牧畜を行う
・ヒトだけが(繁殖を伴わない)快楽目的に性交できる
・ヒトだけが特に優れた脳を持っている

などです。

おそらく、かなり多くの人はこれを見て、あれっ?そんなバカな!?と思うことでしょう。なぜ迷信・俗説と言えるのか、順に説明してゆきます。

1.直立二足歩行について
ヒトは直立二足歩行できるようになってから、これまでは重力に対して体を支える役割を担ってきた前足(手)がその役割から自由になり、その結果さまざまな道具を作れるようになり、さらに重い脳を支える点でも有利になったことから、ヒトの進化史上において知能の発達を促しました。しかしながら、ペンギン、チンパンジーやゴリラなどサルの仲間の多くやクマなどは、完全な形でなかったり一時的であるにせよ、直立二足歩行が可能であると様々な学者により批判が出ました。そのためもあってか、人類の特徴とされる直立二足歩行について定義が狭められ、かつてのような脊椎から脚までが全体として地面に対して垂直であれば良いというのではなく、現在では脊椎と脚の両方を地面に対して垂直に立てることが直立二足歩行であるとされるようになりました。この定義ではペンギン、チンパンジーなどは、骨盤と大腿骨の構造上、脊椎に対して大腿骨を垂直に立てることができない(仮に脊椎を垂直にすると大腿骨が前方へ突き出てしまう)ので、完全なる直立二足歩行の定義から外れてしまい、完全なる直立二足歩行が可能なのはヒトだけとされるようになりました。こうした定義の仕方に注意しないと誤解を生む原因となります

2.道具の製作・使用について

人類は自動車、航空機、コンピュータ、テレビ、ロボット、携帯電話など、構造が複雑で高い機能を持つ道具を製作し、使用することができます。しかし、チンパンジーなどは手の届かない高い所にある餌を見つけると、いくつかの短い棒を繋ぎ合せて長い棒を作ってはたき落としたり、いくつかのブロックを重ねて踏み台とし、それに登って難なく入手してしまいます。これは原始的段階にあるとはいえ、道具の製作・使用に他なりません。そうしたことから、ヒトと他の動物との決定的な違いとは言えず、量的な差しかないことになります。

3.火の使用について
こちらも、ヒトだけの特徴としてしばしば取り上げられますし、火の使用が可能になったからこそ寒冷地にも生存圏を拡大でき、さまざまな食材の調理や道具の加工が可能となり、さまざまな環境へに適応して生存することが可能になりました。しかし、少々意地悪く考えると、ヒトによく慣れたチンパンジーがライターの使い方を覚え、火をつけて紙を燃やしたり煙草を吸ったりした例があり、この点についてもヒトと他の動物との間には量的な差しかないことになります。

4.服の製作・着用について
世界の民族の大部分は体の表面を布、毛皮、葉や茎を編んだり束ねたりした幕状の構造で囲うことを行い、その被膜を衣服といいます。現在では裸族と呼ばれる民族を除く大部分の人類は服を着用しますし、ヒト以外の動物で服を製作・着用するものは稀ですが、ミノムシは木の枝や葉を使って粘性の糸を絡めて蓑を作りますから、こちらも一種の衣服と言えなくもありません。服の製作・着用ついてもヒトと他の動物との間には量的な差しかないことになります。

5.理性について
こちらもヒトだけの特徴と誤解されていることが多いです。
理性とは、脳の情報処理機能としてはゆっくりと働き、これまでに獲得した経験による知識や感覚器官からの情報をもとに長期的な利益を勘案することができる機能をいいます主に大脳新皮質に司られています一方で理性と協調することもあれば対立することも多い情動・本能は、即座に働き、短期的な利益(主に生存・繁殖など本能的欲求)に関わり、主に大脳辺縁系に司られています。理性は、ヒトのみならず、程度の差はあれ、哺乳類を中心に多くの動物が持っています。新しい脳、すなわち大脳新皮質を持つ動物なら、おおよそ理性は備わっていると考えて差し支えありません。

例えば、ハイエナ・リカオン・ジャッカルなどが食欲の赴くままにライオンの食卓に突っ込んで行ったら、命がいくつあっても足りません。飢えを我慢しながらライオンの食卓を遠巻きにしているハイエナなどは、過去の経験と現在に得ている情報から長期的判断に基づいて、食欲という本能的欲求を理性でコントロールしているのです。そしてこれまでの経験から、餌を奪いに行ってもリスクよりメリットが大きいと判断すると、仲間と一緒に一斉に飛びかかって餌を強奪してしまいます。むしろ、自由で飽食の現代の西欧型文明社会の中で生きることになった多くの人は、幼少のころから理性を動員して欲望を我慢してきた経験に乏しく、社会の厳しい掟やタブーの中で生きてきた近代以前の人類や無文字社会に生きる人類、そして大型野生動物に比べて、理性が豊かで強力だとは言い難い面すらあります。

6.死の概念(抽象概念)をもつことについて
これついては、他の動物も広く持っていると考えた方が妥当です。もし人類以外の動物に死の概念(認識)がないと仮定すると、動物の行動に説明できない矛盾が多く出てきてしまいます。例えば、動物が相手を殺したら通常はただちに攻撃を止めてしまいますが、死の認識がなければそのまま攻撃を続けていてもよいはずです。また、眠っている状態や全く動けない状態になっている相手を見つけて攻撃して殺し、殺すと直ちに攻撃を止めてしまう動物の行動も説明が困難になります。全く動かずに息をひそめるといった死にまねをしても、大抵は見破られてしまいます。こうしたことから、多くの動物は死の概念を持ち、動かない・動けない状態や眠っている状態と死んでしまった状態とを見分けることができると考えられます。

長くなってきましたので、この先は「ヒトと他の動物との最大の違いはどこか? Part2」に書くことにします。

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