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民法ワンポイントノート:「賃貸借契約と借地借家法」(その2)

ライターさん(最終更新日時:2012/5/10)投稿日:

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●民法ワンポイントノート:「賃貸借契約と借地借家法」(その2)


5:借りた物を「そのまま返す」ことの善し悪し
 使用貸借契約と共に、賃貸借契約は借りた物その物を借りたときの状態で返すのが原則でした。つまり、土地を借りたらその土地その物を返すことが重要ですし、建物を借りたらその建物その物を返すと言うことが重要です。
 土地なら、更地を借りたら更地で返すということが大事なのです。


 しかし、土地や建物を貸し借りするとして、元の状態に戻して返すということが必ずしも良いこととは限らないと考えられるケースも存在します。


 例えば、土地を30年借りて返す日が来たとしましょう。マイホームを所有するために土地を借りたとして、引っ越しをするためにマイホームを手放すことにでもなったのでしょう。土地を借りたときには更地だった(そうでなければマイホームは建てられませんよね?)なら、更地にして返すのが民法の基本ではありますが、30年という期間なら、それなりに手入れをしている建物ならまだまだしっかりとしていることだって珍しくありません。つまり、まだまだ使える建物を撤去することになる訳です。


 もったいないと思いませんか?

 まだまだバッチリ使える物を壊すなんて、社会にとっての損失だと思いませんか?


 また、建物を借りていたとして、この建物に手を加えた場合も似たような事が発生するかもしれません。

 例えば、元々の建物に雨戸を付け加えたとしましょう。民法の原則では、「借りた物その物を返す」のが原則で、借り主が後から付け加えた物は取り外して返すのが原則ということになります。でも、雨戸があればあったで便利だし役に立つこともあるでしょうから、それはそれでわざわざ取り外さなくても良いと思えませんか?家屋から取り外した雨戸なんて、もうゴミにしかならないですよね?


 もったいないと思いませんか?

 まだまだバッチリ使える物を取り外してゴミにするなんて、社会にとっての損失だと思いませんか?


 そこで、借地借家法では民法の原則に修正を加え、借り主に権利を認めました。


(建物買取請求権)

借地借家法 第十三条  借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは借地権者は、借地権設定者に対し建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる
 前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
 前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。


(造作買取請求権)

借地借家法 第三十三条  建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同様とする。
 前項の規定は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了する場合における建物の転借人と賃貸人との間について準用する。


 土地の借り主、建物の借り主は、借りた土地の上に建てた建物や借りた建物にくっつけた物(造作)を貸し主に「買い取ってください」と請求することができます。こうすることで建物や建物にくっつけた物をゴミにすることなく存続させることができるのです。

 もちろん、借り主は建物を取り壊してもいいし、綺麗に分解して他の場所に移築してもいいし、建物にくっつけた物は取り外して再利用なりゴミにするなりしても構いません。


 なお、土地の上に建物が建っている場合には、他の理由から貸し主に向かって「建物を買い取ってください」と請求する事が認められています。


 それは、「建物を売却したら土地の貸し主が借地権の譲渡をOKしてくれなかった」場合です。

 この場合はこのままだと建物を買い受けた人に借地権が無いことになってしまうので、不法占拠者という状態になってしまいます。ということは、せっかく建物を購入してもそこに暮らすことが出来ず、建物を購入した目的が達せられないと言うことになってしまいます
 そこで、借地借家法はこの建物を買い受けた人に権利を認めました。


(第三者の建物買取請求権)

借地借家法 第十四条  第三者が賃借権の目的である土地の上の建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときはその第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる


 「借地権の譲渡をOKしないというのなら、その建物を地主が買い取ってちょうだいよ!」


 と、言えるようになっています。なお、借地権の譲渡をOKした場合はそんな請求は出来ません。



6:不動産の貸し借りに特有な形態

 不動産の貸し借りについてはかなり特殊な形態が存在しています。民法の原則論ではどうにも対処不能ということもあって、借地借家法で特別に規定が置かれています。

 ここに、各種資格試験頻出の超重要ポイントがちりばめられていますので特に注意して学習しましょう。不動産系、宅建とか特にね!!


その1:「定期借地権」
 最近は戸建ての分譲住宅や、中には分譲マンションなんかにも、「定期借地権付き分譲住宅」「定期借地権付き分譲マンション」というような広告を見かけるようになりました。この「定期借地権付き分譲住宅」とか「定期借地権付き分譲マンション」とかいう物件は、一体どういうものなのでしょうか?

 「定期借地権付き分譲住宅」といえば、つまり「借地の上に建物が建っている」という物件に他なりません。ポイントになるのは『定期』という部分です

 これまで借地借家法において土地の貸し借りをする場合、
  ・存続期間は30年以上で更新が可能
  ・貸し主の方から「返して」「更新しません」と言うには『正当事由』がいる
  ・建物を買い取ってくれるように請求する事が出来る

 という特徴があるということを説明してきました。しかし、『定期借地権』の場合、
  ・存続期間は50年以上。ただし更新が出来ない
  ・期間が終了する際に貸し主の方から「更新しません」と言わなくても契約が終了する。しかも、『正当事由』なんかいらない
  ・建物を買い取ってくれるように請求する事が出来ない


 という特徴があるのです。

 ずいぶんと借り主に不利なようにも見えますが、「50年」という長期間にわたって土地を貸す訳ですし、まあ、借り主が1代だけ住むには十分な長さと言えるでしょう。(下手に長生きしすぎると、それはそれで困ったことになるかもしれませんが…)
 それに、土地を購入するよりは遙かに安価にマイホームを手に入れる事が出来るというメリットも大きいです。場合によっては土地を購入してマイホームを手に入れるよりも50%も安く収まるなんていうこともあるとか

 では、この定期借地権に関する条文を確認しましょう。


(定期借地権)

借地借家法 第二十二条  存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による書面によってしなければならない

 この条文の急所は、「この場合においては、その特約は、公正証書による書面によってしなければならない。」という箇所です。ここは各種試験の超頻出ポイントです。宅建でも行政書士でも司法書士でも問われる可能性の非常に高いポイントです。


 実際の問題文を見てみましょう。


問題:

 定期借地権の設定契約は、公正証書による契約でなければ無効である。


答え:

 ×


 盛大な引っかけ問題です。これは○じゃないのです。×なのです。

 と、いうのも、条文をもう一度、よ~~~~~~~~~~~~~~~く見てください

 公正証書による『』書面によってしなければならない。

 と、書いてあるのです。「公正証書によって契約しろ」とは書いてないのです。つまり、公正証書に限っていなくて、『書面で契約しろ』と書いてあるだけなのです。だから、上記の問題のように「公正証書でないとダメだ」なんていう問題が出たら×なのです。


 他のポイントとしては、

  ・50年以上
  ・更新できない
  ・建物の買取請求が出来ない


 とかその辺を押さえておきましょう。


 大事なことなので繰り返します。『公正証書でなくてもOK』なんですよ!!『書面で契約』すればそれで足りるんですからね!!!!



その2:事業用定期借地権等

 やっぱり定期借地権の問題ですが、今度はその頭に「事業用」とついています。


 居住のためではなく、事業用に用いる土地を借りる契約で、定期借地権と同じように期間の制限等がある契約形態です。例えば、

 ・工場を建てたい
 ・倉庫を建てたい
 ・ゴルフ場を作りたい
 ・スキー場を作りたい


 とかこんな具合に土地を使いたいという場合に用いられる定期の借地契約です。

 条文を確認しておきます。


(事業用定期借地権等)

借地借家法 第二十三条  専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
2  専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。
3  前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない


 この条文の急所は2カ所です。

 まず、「専ら事業の用に供する建物居住の用に供するものを除く。)」という部分です。
 この契約は、「事業のため」…つまり、お金儲けのために土地を借りたいのですが、それはそのお金儲けの内容が「住居の用に供する」ものを除きます。つまり


 ・賃貸アパートやマンションを建てるため


 は除かれるということです。ここ重要です。


 次に、第3項が重要です。「…契約は、公正証書によってしなければならない。」と、書いてあります。そうです。今度は


 公正証書限定


 です。単なる書面ではダメなんです。必ず「公正証書」です

 一般的に、事業用定期借地権は借り主に不利な傾向が強いと解釈されています。よって、事業用定期借地権の設定契約を結ぶに当たっては、「借り主さん、あんたに不利な契約だけど、本当にコレでいいのね?」という意思を確認するために、このような「公正証書」による契約にしている…と、いう具合に解釈されているようです。


その3:定期建物賃貸借
 今度は建物についての「定期」の貸し借りです
 こちらは俗に、「定期借家」なんていう言い方をすることもありますが、建物を貸し借りするのに、期間を定めておいて、「更新できない」「1年未満の期間を設定してもそれで終了」という契約です。


 「出張する間だけ、家を貸したい」


 みたいな需要に応えるための契約と覚えてもらえばよいでしょう。


 借地借家法の条文を確認してみましょう。なお、長いので2つに分けて確認します。まずは前半部分。


(定期建物賃貸借)

借地借家法 第三十八条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない
3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする


 期間の定めのある建物の賃貸借については、契約の更新がない特約を設けることができます。コレがなかったら、「出張している間だけ家を貸す」なんてことが出来なくなってしまいます。契約期間が更新されてしまったら、出張から帰ってきた人はどこに暮らせばよいのでしょうか??


 この条文の急所も2カ所あります。


 一つは「公正証書による書面によって契約をするときに限り」という箇所。これもまたよ~~~~~~~~~~く条文を見てみましょう。公正証書による『』書面によって契約…と、あります。つまり公正証書でなくても良いってことですよ!?書面で足りるんですよ!!!ここも、盛大な引っかけポイントですからね!!!!!!!!


 もう一つは、第2項・第3項の部分です。期間の満了によって契約が当然に終了すると言うことを、

 ・書面を交付して説明しなければならない
 ・説明しなかったら、契約の更新がないという特約は無効(…つまり更新出来ちゃう)

 という点です。「書面を交付して説明」ですよ!!ここ重要ですよ!!口頭じゃダメですよ!!!!!!でも公正証書でなくてもいいんですよ!!!!!!!!!!!


 次に条文の後半部分を見て見ましょう。


4  第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。

5  第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。
6  前二項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
7  第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。


 第4項に注意が必要です。

 定期借家権は期間が満了したからといって、「当然に契約終了」という訳では無いのです。必ず、


 「もうじき、契約期間が終了しますよ」


 と、貸し主から借り主に向かってお知らせをしなければなりません。この通知を怠ると、契約の時に書面で期間を説明していたとしても、その期間満了を借り主に対抗出来なくなります。

 遅くとも6ヶ月前には通知しなければなりません


 この第4項の引っかけポイントに要注意です。例えば、


 平成15年4月1日から、平成20年3月末日までの契約


 という特約を、書面を交付してきちんと説明していたとします。この場合、6ヶ月前には「もうじき契約期間が終了しますよ」と、お知らせしなければなりませんから、


 平成19年10月末日まで


 には、通告しなければならないことになります。もし、このお知らせをうっかり忘れていて、平成19年12月1日にしたらどうなるでしょうか?


 この場合は、平成20年6月1日にならないと、借り主に向かって「契約が終わったので出て行ってください」と言えないということになります。


 第5項から後ろは、そんなに出題される率は高くないと思いますので、眺めておいてもらえればよいと思います。


その4:取り壊し予定の建物の賃貸借
 お次も、「定期」の建物の賃貸借の仲間ですが、今度は契約終了の理由が「建物を取り壊す」という点で異色です。


 例えば、築70年以上とかの超オンボロアパートがあるとして、このアパートをそろそろ取り壊して新しい賃貸マンションでも建てようか…みたいな計画が持ち上がっているとします。しかし、具体的に「いつ」という話まで進んでいないという状況で、新しくそのオンボロアパートに入居したいなんていう人が現れたときに、この契約が有用です。

 大家さんは、


 「時期はまだ未定だけど、このアパート取り壊す予定があるから、その時には文句を言わずに出て行ってね


 という特約を盛り込むことが出来るのです。


(取壊し予定の建物の賃貸借)

借地借家法 第三十九条  法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、第三十条の規定にかかわらず、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる。
 前項の特約は、同項の建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない


 このような契約は、「建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない。」と規定されています。こちらも書面です。


 定期借家権と比べて規制が緩いのは、取り壊す予定の建物なんてものはオンボロ建物でしょうから、家賃が激安なのでしょう。だから入居者もぐちゃぐちゃ文句を言うな…という考えが根底にあるものと考えられています。


その5:一時使用目的の土地や建物の賃貸借
 今まで紹介した土地や建物の賃貸借の他に、明らかに「一時使用」を目的をする契約があり得ます。
 例えば、倉庫設置のために土地を借りたりするとしても、その倉庫が数日、あるいは数週間程度の使用のためであることが明らかな場合はアレコレ規制する必要もないだろう…ということで、様々な規制が適用されないことになっています。

 まあ、試験に…出ることはレアでしょうね…かなり…。

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